整形外科医のブログ

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股関節外科

大腿骨頚部骨折後偽関節のTHA

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先日、大腿骨頚部骨折後偽関節に対する人工股関節全置換術(THA)がありました。まだ60歳台ですが、既に寛骨臼側にOAも認められたため他院から紹介されました。



術前 - コピー




何故こうなってしまったのか疑問でしたが、半年ほど痛みに堪えて歩行していたとのことです。紹介時には、歩行不能となって1ヵ月が経過していました。悩ましい。。。


人工骨頭置換術でお茶を濁す手も無きにしも非ずですが、年齢が若いことと今後の活動性を考えて、セオリー通りにTHAを施行することにしました。


しかし、この手の症例は、骨質が極端に悪いことが多いので要注意です。私は基本的にセメントレス派ですが、念のためセメントTHAもバックアップして手術に臨みました。


案の定、骨質が非常に不良で、寛骨臼のリーミングもほんの数秒で内板まで到達してしまいました。軟骨下骨をある程度温存するつもりでしたが、感覚が分かりませんでした。


大腿骨も骨質不良でしたが、一応セメントレスステムでラスピングしてみました。意外とプレスフィットしたので、そのままセメントレスステムで終了しました。



術後 - コピー




終わってみると、意外にも寛骨臼・大腿骨側ともセメントレスでしのぐことができました。あ~、よかった。カチカチのOAと比べると、このような症例は非常に緊張します。


いつも思うのですが、このような症例はできるだけ避けたいところです。まぁ、誰かがしなければいけないわけですが。。。







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初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


         




THA: 易脱臼性では寛骨臼骨棘に注意

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今日の午前の手術も、人工股関節全置換術(THA)でした。
臼蓋形成不全の程度が強く、大腿骨頚部過前捻だったのでS-ROM-Aを使用しました。


S-ROM-Aはほぼどのような症例でも対応できる優れた機種ですが、それでも寛骨臼周囲の骨棘が大きいとインピンジして脱臼することがあります。


今日の方はトライアルの段階では、さほど易脱臼性が無かったのですが、インプラントを挿入後にトライアルすると、後方への脱臼傾向を認めました。


指を寛骨臼と大腿骨に間に挿入して後方脱臼肢位にすると、明らかにインピンジしていました・・・。おそらく、ステム挿入時の微妙な前捻角の誤差がインピンジにつながったのでしょう。


しかし、インプラントは挿入した後のなので、いくらS-ROM-Aといえども簡単には前捻角の再調整はできません。そこで寛骨臼前方の大きな骨棘を切除することにしました。


指で確認しながら、約15mm×20mm×10mm程度の大きな寛骨臼前方骨棘を切除したところ、著明に後方への易脱臼性が消失しました。やはり骨棘によるインピンジが原因だったようです。


THAの易脱臼性の有無は僅かな差で決まります。したがって、術中に易脱臼性を見つけたら、入念にどこに易脱臼性の原因があるのかを見つけ出す必要があります。


術後に持ち越すと後々やっかいなことになることがあるので、術中にできるだけがんばって原因究明およびその対策を行っておくべきでしょう。



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初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するにあたり最もお勧めの書籍です。日本を代表する執筆陣が股関節外科に関するあらゆる事項を、非常に分かりやすく解説しています。この1冊があれば股関節外科のほぼ全ての疑問点を解消できると思います。


                 
         
                       股関節学



書評: 股関節学

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新年度入りしたためか、股関節外科のお勧め教科書を教えて欲しいという質問が何件か個人的にありました。そこで、私がお勧めしたのは下記の 股関節学 です。



                 
         
                       股関節学



この書籍は最近出版されたもので、編者の京都府立医大の久保先生をはじめ、下記のごとく現在の日本を代表する股関節外科医が執筆されています。


  ・ 大阪大学       菅野先生
  ・ 九州大学       中島先生・山本先生
  ・ 東京医科歯科大学 神野先生
  ・ 昭和大学       渥美先生
  ・ 広島大学       安永先生
  ・ 横浜市立大学    稲葉先生
  ・ 金沢大学       加畑先生


私も1冊購入して拝読いたしましたが、内容が非常に分かりやすいのに驚きました。さすがに各分野のスペシャリストが執筆しているだけあると思いました。


例えば、再置換術の際に用いるVancouver分類や、高位脱臼のCrowe分類、FAIの定義や分類等が、実戦に即して非常に平易に書かれていました。


あらゆる事項が非常に分かりやすく解説されており、初学者が股関節外科の基礎および治療体系を学習するには、ぴったりの書籍だと思います。


股関節学 は、手の外科における 手の外科の実際 のような位置付けの書籍だと思います。何か股関節外科で分からないことがあっても、この1冊でほぼ全ての疑問点を解消できます。


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