今日の午前は外来でした。
脳出血後の片麻痺のある方が転倒してから肩が痛いとのことで初診されました。


単純X線像を確認すると、麻痺側の肩関節脱臼骨折を認めました。
骨折自体の転位はさほど無いのですが、上腕骨頭は前方に脱臼しています。


脳出血は10年以上前の発症で、それ以来片麻痺が残っています。
MMTはほぼゼロなので、もともと肩関節が脱臼していた可能性があります。


今回より前に肩関節の単純X線像を撮影していないので、もともと脱臼していたか否かは不明です。骨質が非常に悪いので、整復操作によって二次骨折を併発する可能性があります。


新鮮な肩関節脱臼骨折であるのなら、いくら麻痺側とはいえ脱臼整復が必要となります。しばらく考えていると、以前に胸部単純X線像が施行されている記録があることを発見しました。


今から3年前に内科を受診した際に撮影されたようです。この胸部単純X線像を確認すると、半分ほどしか写っていませんでしたが、肩関節が前方脱臼していることが分かりました!


今回の外傷は肩関節脱臼骨折ではなく上腕骨近位端骨折ということになり、肩関節脱臼の徒手整復は不要となりました。整復操作による二次骨折併発の危険性が高いのでホッとしました。


今回のように片麻痺の患者さんはもともと肩関節脱臼を併発していることが多いですが、新鮮例か否かを判断するのに、以前施行した胸部単純X線像を確認することは有用だと思いました。



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