足関節脱臼骨折では、Lauge-Hansen分類が有名です。この分類のPEでは、脛腓骨間の下腿骨間膜が断裂しているため、脛腓間スクリュー(positioning screw)が必須です。
脛腓間スクリューを使用する目的は、断裂した下腿骨間膜の修復ですが、最も重要なことは遠位脛腓靭帯の解剖学的修復です。靭帯が修復されるまでスクリューは必須です。
それでは、脛腓間スクリューを抜釘する時期はいつごろがよいのでしょうか?荷重歩行によって、脛腓間スクリューが破損する可能性は約30%と高率です。
スクリューの破損を恐れていると、いつまで経っても荷重歩行を開始できません。そうなると骨萎縮や関節拘縮が進行して足関節機能が低下します。
脛腓間スクリューを抜釘する時期を考える上で、何を最優先させるかがポイントになります。やはり最優先は、遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜の解剖学的修復です。
遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜破損が、再度破綻しないようにするためには、最低でも3ヵ月経過してから脛腓間スクリューを抜釘するのがよいといわれています。
手術後1~2ヵ月では、脛腓間の靭帯構造が再度破綻する可能性があるからです。もちろん、脛腓間スクリューを留置したまま荷重歩行を開始するので、折損リスクが高まります。
しかし、遠位脛腓靭帯および下腿骨間膜の解剖学的修復が最優先課題なので、脛腓間固定スクリューが折損するリスクには、ある程度目をつぶるしかないのが現実です。
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