昨日午後の手術は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
出張先の病院だったので、アウェーでの手術でした。
私は、大腿骨の遠位骨切り ⇒ 脛骨近位骨切りの順番に行います。こだわるドクターはtibia firstなのでしょうが、やはり展開が難しい症例もあるので、最近では私は大腿骨遠位骨切りを最初に施行するようにしています。
大腿骨遠位骨切りが終了した時点で、下腿を軸方向にまっすぐ牽引します。10mmのスペーサーブロックを大腿骨遠位の骨切り面に当てて、これをメジャー代わりにして脛骨近位に電気メスでラインを引きます。
このラインが脛骨近位のおおよその骨切り線になるのです。このラインは骨切り量だけではなく、意外と下腿軸に垂直になっていることが多いので骨切りの内外反の判断基準としても有効です。
もちろん、リゼクションガイドやスタイラスで最終判断しますが、目安が多いに越したことはありません。出張先のドクターにとって、初めて見る工夫だったようで評判が良かったです。
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初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です
人工膝関節置換術[TKA]のすべて−安全・確実な手術のために
脛骨
今日の午前は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
以前、作図の段階で大腿骨ガイドロッドのエントリーポイントが大腿骨遠位部のどこになるかを記録しておく必要がありますという記事を書きました。
脛骨に関してもこの方法は有効だと思います。作図の段階で下腿軸が脛骨近位部のどこを通るかを記録しておきます。そして脛骨関節面において下腿軸が通る部位に髄外ガイドのスパイクを打ち込みます(ZINNER NEXGENの場合)。
例えば術前の作図から、下腿軸が外側の顆間隆起を通る場合には、外側の顆間隆起に髄外ガイドのスパイクを打ち込みます。これで脛骨近位の髄外ガイド位置決めが簡単に決まります。
脛骨遠位の髄外ガイド位置決めに関しては、清潔シーツをかける前に下腿遠位における下腿軸のラインを透視下に確認してマーキングしておきます。髄外ガイドをこの下腿遠位に引いたラインに合わせることで脛骨遠位の髄外ガイド位置決めが簡単に決まります。
この2つの操作を行うことで脛骨側の髄外ガイド設置が正確かつスムーズに施行することができます。あとは髄外ガイドを微調整するだけなので、TKAで最もフリーハンドに近いガイドの位置決めをマニュアル化することが可能になります。
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