今日の午前は、アルバイト先での外来でした。病院に着いた際に、常勤の先生から私がTHAを施行した患者さんが脱臼したとの連絡を受けました。
この方は術後3週間で退院されたのですが、術後6週目の先週に風呂場で転倒して脱臼したとのことでした。幸い、骨折の併発は無かったようですが、脱臼したことは結構ショックでした。
実は、私は自分の執刀例でまだ脱臼を経験したことが無かったのです。この方は術中も特に易脱臼性は認めませんでしたが、基礎疾患が特発性大腿骨頭壊死症(ION)です。
IONの患者さんは、通常のOAの患者さんと比べて拘縮が少なく軟部組織が正常に近いため、どちらかというとTHA術後に易脱臼性を有する方が多いです。
このあたりの事情を考慮しましたが、今回は不良肢位が原因ではなさそうなので、外転装具の装着等はせずに全荷重で様子を見ることにしました。
もちろん、脱臼肢位についてもう一度細かく説明しました。私たち整形外科医にとっては常識的な事柄なのですが、やはり患者さんはイマイチ理解されていないようでした。
軟部組織の修復にしばらく時間が掛かるため、2~3ヶ月は充分に注意してもらおうと思います。それにしても自分の執刀患者さんの脱臼は嫌なものですね。。。
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脱臼肢位
今日は、午前の外来後にTHAの手術説明を行いました。
いつもは自己血貯血後に休んでもらいながらお話させていただいてますが、今日は臨時手術が入ったため急遽外来後に時間を変更させてもらいました。
THAの術前説明では、脱臼肢位について説明します。昔は結構シビアな話をしていましたが、最近では唯一禁止しているのは和式トイレのみです。実際、現在の病院でTHAを200例ほど施行していますが、まだ初回手術での脱臼例はありません。
脱臼がほとんど無くなった理由としては、下記を考えています。
① 骨頭径が大きくなったこと (22.225mm ⇒ 28~32mm骨頭)
② 術前の体位設定を透視下におこなっているため、極めて正確なカップ設置が可能になった
③ 大腿骨頚部過前捻症例(>40度)に対してはS-ROM-Aを、30~40度の症例ではkinectivなどのネックチェンジャブルタイプの機種を選択している
④ アプローチを含めた術式の向上
THAの手術説明では「和式トイレだけ控えてください」と説明するだけなので、こちらも気楽です。
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