整形外科医のブログ

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腱鞘切開術

ド・ケルバン病手術のピットフォール

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昨日の午後の手術はド・ケルバン病(De Quervain病)に対する腱鞘切開術でした。ド・ケルバン病は、長母指外転筋腱(APL)と短母指伸筋腱(EPB)が、第1コンパートメント内で橈骨茎状突起と伸筋支帯に絞扼されて発症します。


手術はエピネフリン入りキシロカインによる局所麻酔のみで、ターニケットによる駆血は不要です。橈骨茎状突起部の圧痛がある部位の直上にAPLやEPBと直交する約2cmの皮切を加えます。


皮膚の直下に橈骨神経浅枝があるので、皮切の段階で損傷しないように注意します。皮下を鈍的に剥離すると第1コンパートメントを形成する腱鞘を展開できます。


この腱鞘を軸方向に鋭的に切開すると、肥厚した腱鞘の下にAPLを認めます。APLは2~3本程度に分かれているケースが多く、EPBと間違わないようにする必要があります。


APLの腱鞘を切開しただけで手術を終了するケースがあります。しかし、第1コンパートメント内にEPBだけの独立した腱鞘が存在する場合には、この腱鞘も切開しないと症状が残存します。


ド・ケルバン病を発症する方の多くは、第1コンパートメント内にEPBだけの独立した腱鞘が存在するので、基本的にはEPBの独立した腱鞘を切開することが手術の最大の目的となります。


くれぐれも、APLの腱鞘を切開しただけで満足して手術を終えるのではなく、第1コンパートメント内のEPBの独立した腱鞘もきっちり切開するべきだと思います。




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手指の手術でもエピネフリン入りキシロカインの使用しています

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今日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)、午後は腱鞘切開術でした。
TKAはあまり気付きが無かったので、腱鞘切開術について記載します。


最近、狭窄性屈筋腱炎に対する腱鞘切開術では、局所麻酔剤でエピネフリン入りキシロカインを使用しています。ターニケットは用いていません。


もともと、透析患者さんのシャント側で、ターニケット無しで手術を行っていました。
しかし、皮下で僅かに出血するだけなので、今では全例ターニケット無しで手術を行っています。


私が研修医の頃は、手指の手術でエピネフリン入りキシロカインを使用するのは禁忌と言われていました。しかし、手指の手術でもエピネフリン入りキシロカインを使用しても問題無いという海外の論文がでてからは気兼ねなく使用しています。


尚、腱鞘切開術ではエピネフリン入りでなくても出血はあまりしないです。ただ、手根管開放術の際には、エピネフリン入りキシロカインを使用する方が無難でしょう。

狭窄性屈筋腱鞘炎(ばね指)に対する腱鞘切開術

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今日は午後からばね指の手術をしました。
母指狭窄性屈筋腱鞘炎に対する腱鞘切開術です。


一般的に、手指の局麻手術の局所麻酔薬でエピネフリン入りキシロカインの使用は禁忌といわれています。ただ、手の外科専門医の先輩がおっしゃられるには日本だけの都市伝説(?)のようです。海外ではエピネフリン入りキシロカインも普通に用いられているとのことです。


私も腱鞘切開術や手根管開放術の際に、エピネフリン入りキシロカインを使用してターニケット無しで手術をすることが多くなりました。もともとは透析患者さんのシャント側手術でやもえず行っていました。しかし思ったほど出血しないため、最近では好んでこの方法で行っています。

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