「医はサービス業」という信念のもと(笑)、私は患者さんにできるだけ不自由をかけないような外来診療を心掛けています。そのうち最も気を使っているのが待ち時間の短縮です。


私の場合は予約診察がベースなのですが、それでも時間通りに診察を進めることは難しいです。医師サイドがいくらがんばっても、患者さんが素早く動けない場合が多々あるからです。


この問題を解決するために、私はできるだけ患者さんを動かさない診察を心掛けています。患者さんが動くよりも私が動く方が数倍速いので診療速度が上がります。


例えば膝関節注射の両側例では、椅子に座ったまま膝関節90度屈曲位として注射をします。この際に問題になるのが、膝関節裂隙の位置が判りにくい患者さんが存在することです。


特に肥満の患者さんでは膝関節屈曲位にすると膝関節裂隙の位置が判らなくなりがちです。脛骨粗面を触知して関節裂隙を探し始めても、どこが膝関節裂隙が判らないのです。


その場合には膝蓋骨下極の位置をメルクマークにしています。ACL再建術における関節鏡の外側ポータルを膝蓋骨下極レベルよりもやや末梢に置くことが多いことに気付いたからです。


このように、患者さんを動かさずに自分が動くことで、無駄な時間を排したスピーディーな診療が可能になります。待ち時間の短縮は、きっと大きな患者さんサービスになると思います・・・



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
  初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    

          
          整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)