整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

膝関節注射

関節注射時の「プスッ」音の習得法

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以前、膝関節注射の際に注射針を抜く際の音で、関節内に入っていたか否かの判断を行っていることをご報告しました。



関節内から勢い良く注射針を引き抜くと「プスッ」という小さな音がします。この「プスッ」という小さな音が聞き取れると、注射針が関節内に入っていたことが分かります。


この「プスッ」という小さな音が発生する原因は、関節内が陰圧であることだと考えています。さて、この「プスッ」音は、教科書等には書かれていません。


私の経験では、聴取できる確率は 60~70%程度です。どのような患者さんや部位で聴取できるのかをまとめてみました。


  • 膝蓋上嚢>肩峰下滑液包>FT関節
  • 正常解剖>OAの強い関節


最も聴取しやすいのは、OA変化の少ない膝関節の膝蓋上嚢から関節注射を施行したときです。この場合には高率に聴取可能なので、そこで「プスッ」音をマスターします。



OA変化の少ない膝関節の膝蓋上嚢で「プスッ」音をマスターした後には、肩関節やOA変化の強い症例にもチャレンジするとよいでしょう。




 


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抜くか止めるか、どちらを選ぶ?

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以前、私は外来のスピードアップのために、両側の膝関節注射では基本的に座位で施行していることをお話ししました。この方が圧倒的に処置スピードが速いからです。


この肢位のデメリットは、血管を刺す頻度が高いことです。血管を刺してしまうリスクは技術の習熟度と関係ありません。このデメリットを緩和する手段として私は下記の対策を行っています。

 

  1. ヒアルロン酸注入後は一気に針を抜かずに、針先が関節外に来た時点で一旦止める
  2. もし血管を刺していれば、何もしなくても針の基部に血液のバックフローを認める
  3. 血液のバックフローがある場合には針を全て抜く前にガーゼを準備する
  4. 針を抜いた瞬間にガーゼで圧迫止血する


ありがちなパターンは針をいきなり全部抜いてしまい、血液が針穴から噴出するケースです。こうなると、事後の処置に時間がかかってしまいます。


抜針途中で針基部に血液のバックフローがあった時点で対応すると、このような惨事(?)を回避できるので時間の節約に有効だと思います。
 



一方、膝関節注射が関節内に入った証拠として、勢い良く注射針を引き抜く際の「プスッ」という小さな音を確認します。この音を聴取できると、関節腔内に入ったことが確認できて安心です。


しかし、この2つは相反する手技です。針を勢いよく引き抜くか、途中で一旦止めて血液のバックフローの無いことを確認するかの2者選択です。


う~ん、悩ましい(笑)。最近では、ヒアルロン酸注入後は一気に針を抜かずに、針先が関節外に来た時点で一旦止めて血液のバックフローの無いことを確認する方法を行うようになりました。


関節内に入ったという満足感を得るよりも、血液が針穴から噴出するデメリットの方を防ぎたい気持ちが勝ったからです。せっかく発見した「小さな音」を封印するのは少しもったいないです。


しかし、日々の外来業務の効率化・スピードアップを最優先すると、今回の選択もやむを得ないのかなと思いました。




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膝屈曲位での関節注射の出血対策

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私は外来のスピードアップのため、両側の膝関節注射では基本的に座位で施行しています。この方が圧倒的に速いのですが、デメリットがいくつかあります。


最大のデメリットは、外側膝蓋上嚢に比べて関節腔内に針先が入りにくいことです。もうひとつのデメリットは血管を刺す頻度が外側膝蓋上嚢に比べて高いことです。



関節腔内に針先が入りにくいデメリットは膝関節屈曲位での関節注射に習熟するとある程度クリアできますが、血管を刺してしまうリスクは習熟度と関係ありません。



このデメリットを緩和する手段として私は下記のような対策を行っています。

  1. ヒアルロン酸注入後は一気に針を抜かずに、針先が関節外に来た時点で一旦止める
  2. もし血管を刺していれば、何もしなくても針の基部に血液のバックフローを認める
  3. 血液のバックフローがある場合には針を全て抜く前にガーゼを準備する
  4. 針を抜いた瞬間にガーゼで圧迫止血する


ありがちなパターンは針をいきなり全部抜いてしまい、血液が針穴から噴出するケースです。こうなると、事後の処置に時間がかかってしまいます。


抜針途中で針基部に血液のバックフローがあった時点で対応すると、このような惨事(?)を回避できるので時間の節約に有効だと思います。





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膝関節注射が関節内に入った証拠

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両側の膝関節注射を施行する際、私は座位のままFT関節外側から関節注射します。

私は「待ち時間ゼロ」の外来を目指しているので、スピーディーさを最優先しているからです。


しかし、関節内に確実に到達させることに関しては、膝蓋上嚢から注射するよりもFT関節外側から関節注射する方がやや難しいと思います。



そして、スベニールなどの高分子タイプのヒアルロン酸製剤を23G針で注入すると、指先の感覚だけでは本当に関節内に入っているのか分からない場合があります。


私は膝蓋骨下極の部位を参考にして関節注射していますが、解剖学的には関節内に入っていると判断しても、実際には滑膜内である可能性を否定できません。


滑膜内であれば患者さんがかなり痛がるのである程度は判断できますが、高齢者ではあまり痛みを訴えないこともあり、確実な判断方法ではありません。


このようにFT関節外側から関節注射する場合、私は注射針を抜く際の音で関節内に入っていたか否かの判断を行っています。周知のように関節内は陰圧です。


このため、勢い良く注射針を引き抜くと「プスッ」という小さな音がします。この「プスッ」という小さな音が聞き取れると、注射針が関節内に入っていたことが分かります。


ちなみに、この「プスッ」という小さな音を聴取できる確率は60~70%です。残りの患者さんは聞き取れないのですが、30%の患者さんの膝関節内注射を外しているとは思っていません・・・


 


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屈曲位の関注は膝蓋骨下極を目安に!

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「医はサービス業」という信念のもと(笑)、私は患者さんにできるだけ不自由をかけないような外来診療を心掛けています。そのうち最も気を使っているのが待ち時間の短縮です。


私の場合は予約診察がベースなのですが、それでも時間通りに診察を進めることは難しいです。医師サイドがいくらがんばっても、患者さんが素早く動けない場合が多々あるからです。


この問題を解決するために、私はできるだけ患者さんを動かさない診察を心掛けています。患者さんが動くよりも私が動く方が数倍速いので診療速度が上がります。


例えば膝関節注射の両側例では、椅子に座ったまま膝関節90度屈曲位として注射をします。この際に問題になるのが、膝関節裂隙の位置が判りにくい患者さんが存在することです。


特に肥満の患者さんでは膝関節屈曲位にすると膝関節裂隙の位置が判らなくなりがちです。脛骨粗面を触知して関節裂隙を探し始めても、どこが膝関節裂隙が判らないのです。


その場合には膝蓋骨下極の位置をメルクマークにしています。ACL再建術における関節鏡の外側ポータルを膝蓋骨下極レベルよりもやや末梢に置くことが多いことに気付いたからです。


このように、患者さんを動かさずに自分が動くことで、無駄な時間を排したスピーディーな診療が可能になります。待ち時間の短縮は、きっと大きな患者さんサービスになると思います・・・



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