昨日はアルバイト先で外来をしていました。
患者さんの時間の都合で、MRI施行後に当日受診して結果説明を行った方がいました。


MRIの当日説明の場合は、当然ながら放射線科医師による読影は間に合いません。しかし、整形外科分野では大きな見逃しは無いので、強く希望される場合には当日説明を行っています。


当日読影を行った方では、後日に放射線科医師の読影結果を確認する必要があります。自信があっても、2名の医師によるダブルチェックの方が、見逃しが発生する危険性が低いのです。


昨日、腰椎MRIを施行した方はL4/5の腰部脊柱管狭窄症でした。症状とも合致するので特に気に留めることもなく4週間分の内服処方を行いました。


そして、お昼ご飯を食べていると放射線科医師が寄ってきて、おもむろにその方の読影レポートを差し出しました。ナント、上行結腸に腫瘍がありそうとのことでした・・・。


本当ですか~?と言いながら再度MRIを確認しましたが、画像の説明を受けてもいまひとつ理解できませんでした。そもそも、画像の端に映っているモノが何なのかさえ分からないのです。


う~ん、これは注意して読影していても、自分だけの力では絶対に見つけることができないです。やはり、放射線科医師によるダブルチェックは必須ですね。


それはさておき、今回は再診予約を4週間後にしていました。そして4週間後には、放射線科医師による読影レポートの確認を忘れていたかもしれません。あぶなく見逃しするところでした。


これからも当日実施したMRIは、可能なかぎり放射線科医師による読影が終了するまで結果説明しないようにしようと思いました。




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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)