全国の整形外科の先生方が一同に会する5月の日本整形外科学会学術総会に便乗して開催する資産形成セミナーの準備作業をしています。
セミナーに向けて医師の財務状況を分析しているのですが、「年収3000万円と純資産1億円はどちらが難しい?」と言う命題が、資産形成を行うべき理由のひとつだという考えに至りました。
あなたは、年収3000万円と純資産1億円ではどちらがハードルが高いと思いますか? 医師であれば、年収3000万円はさほど珍しくないと思います。
実際に私の周囲でも年収3000万円超えの医師を散見しますが、1億円を超える資産を独力で築き上げた人はあまり見かけたことがありません(もちろん、相続の方は多いです)。
医師においては、年収3000万円よりも資産1億円の方がハードルが高い印象です。そこで、最も客観的で信頼がおける国税庁が発表しているデータでエビデンスを調べてみました。
このデータでは年収2500万円以上の納税者数(*)は、毎年10万人前後で推移しています。この数字は日本人全体の約0.1%です。
※ 国税庁の資料(P.20)では2500万円以上が一括りにされています
一方、野村総合研究所のデータでは、金融(純)資産1億円以上は5000万世帯中の約100万世帯(約2%)です。データの比較では年収3000万円(2500万円)の方がハードルは高そうです。
年収3000万円は個人の能力が反映される一方、資産1億円は相続絡みが多いことを勘案しても、0.1.% 対 2%という結果をみると意外にも年収3000万円の方がハードルが高いようです。
では、年収3000万円程度あれば、資産1億円は楽勝なのかというと、全くそうではないと思います。むしろ、年収3000万円であっても「億超え」はかなりハードルが高いのが実情です。
年収3000万円よりも資産1億円の方がハードルが高い理由は、年収3000万円と言えども単純に余剰資金を積み上げるだけであれば、1億円に到達するのにかなりの時間が必要だからです。
年収3000万円の税・社会保険料控除後金額は約2000万円です。ここから住居・生活費を控除すると実際の可処分所得(フリーキャッシュフロー)は1200~1300万円にしかなりません。
もちろん1200~1300万円という数字は立派ですが、元の「3000万円」からは大幅に減少していることが分かります。年収3000万円でも貯金だけなら1億円に到達するに8年もかかるのです。
これは、子供の進学やマイホーム購入等のライフイベントを一切考慮しない数字です。これらの大きなイベントが発生する度に、資産1億円に到達する期間が延びることになります。
そして、年収3000万円を8年間コンスタントに稼ぐことは難しいと思います。2~3年だけ勢いで3000万~1億円を稼ぎ出す方は居ますが、10年以上コンスタントに稼ぐ方は多くありません。
かく言う私も、「自己記録に挑戦だ!」と言って個人所得の記録に挑んだ時期がありましたが、税率の高さと手残り金額の低さに辟易して、今ではほどほどの年収と仕事量にセーブしています。
個人所得が3000万円を超えてくると、感覚的には手残り金額は稼ぎの1/3にも満たなくなるため、バカバカしくて自分の時間を投入する気になれないのです。
純粋にお金のことだけを考えると、個人で馬車馬のように働いて稼ぎ出すことはエネルギーの浪費に過ぎません。個人所得→法人所得にシフトすることを真剣に検討するべきだと思います。
このように高額所得者といえども純資産で”億”の壁を越えることは極めて難しいのが実情です。年収が3000万円あっても貯金だけでは、簡単には億越えの富裕層には到達でません。
年収3000万円でもこれだけの期間がかかるのであれば、年収1000万円では更にハードルが上ります。年収1000万円の場合でも生活費は3000万円の方とあまり変わりません。
生活費を控除すると、可処分所得は多くて300万円程度です。この場合、貯金だけで1億円を越えるには、子無し・マイホーム無し・病気怪我無しでも30年以上(!)掛かってしまいます。
30年間も年収1000万円+ライフイベント無しを維持するのは現実的ではないですね。この億超えに必要な高いハードルを乗り越えるには、やはり何らかの「ひねり」が必要になります。
この「ひねり」が資産形成の戦略なのですが、このあたりのお話を5月に神戸で開催予定の資産形成セミナーでできればいいなと考えています。
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