整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

足底板

治療靴の抱き合わせ商法

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先日から外来で足底腱膜炎の治療をしている方がいますが、なかなか治療効果を得ることができません。私は、足底腱膜炎の治療を下記のようなアルゴリズムで治療を行っています。


1. 消炎鎮痛剤および外用剤投与
2. テーピング指導
3. ステロイドのトリガーポイント注射
4. 足底板作成


やはり、③のトリガーポイント注射が最も効果が高いですが、痛いので嫌がる患者さんが多いです。この場合、足底板作成となりますが、高価であるため私はこちらの工夫を実践しています。


このように、少し気を使う(?)足底腱膜炎の治療ですが、どうしても痛い治療が嫌という患者さだったので、やむを得ずガーゼを使った足底板を試してみましょうという提案をしました。


しかし、意外なことに既に足底板を装着している(!)とのことでした。どこで作ったのかをお伺いすると、以前に「靴屋さん」で作ったとのことでした。


なんでも、靴屋さんで足底痛の相談をすると足底板の作成を勧められたそうです。価格は2万円弱で、当然医療保険は利きません。しかも何故か治療用靴(?)とのセット販売とのことです・・・


拝見したところ、どこが「治療用靴」なのか理解できませんでしたが、合計金額をぴったり医療機関で足底板を作成するのとほぼ同額に設定しているようでした。


傍からみると靴屋さんによる「抱き合わせ商法」なのですが、問題点はこの足底板が全然効果が無い点です。高い商品にも関わらず効果が全く無いようでは話になりません。


靴屋さんにとっては販売促進活動の一環なのでしょうが、話を信じた患者さんからすればタマッたものではありません。医療業界の周辺には人の弱みにつけこむ怪しげな人が多いようです。



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足底板作成前にガーゼで効果判定を!

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最近、足底腱膜炎の患者さんを診察する機会が多いです。
私はテーピングを多用しますが、やはりそれだけでは軽快しない方がいます。


そのようなケースでは足底板を作成せざるを得ないのですが、問題点はやはりコストです。3割負担の患者さんでは結構な金額の費用負担となります。


そして、足底板を作成したのはいいけれども効果が全くなければ目も当てられません。私ならクリニックや病院に対する信頼感を無くしてしまうと思います。


そこで、私は成功している開業医の友人を見習って、足底板を作成するかどうかを決めるときにはあらかじめガーゼを丸めて靴底に入れて、効果がある場合のみ作成するようにしています。


足底板などの装具採型に対する点数は病院の収益になります。しかし
利益の大半は、装具を作成した装具業者さんのモノとなります。


医療機関と患者さんがリスクを背負って装具業者さんを儲けさせてあげる理由はありません。
装具は高価なので確実に効果を見込めるときのみ処方する方が医療経済的にも望ましいです。


このような考え方から、足底板作成の是非を判断するために1週間ほどガーゼを丸めて靴底に入れて歩行してもらい、効果がある場合のみ足底板作成を依頼するようにしています。


医療機関の収益には目を配りながらも患者さんに無駄な出費をさせないことが、患者さんとの信頼関係の熟成に寄与すると思います。


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靴のインソールによる疼痛軽減効果認めず

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Medical Tribune 2013年11月28日号に興味深い記事がありました。「靴のインソールによる疼痛軽減効果認められず」です。以下、Medical Tribuneからの転載です。


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〔シカゴ〕マンチェスター大学(英マンチェスター)のMatthew J. Parkes氏らは,内側型変形性膝関節症(膝OA)の疼痛軽減に用いられる外側は高く内側が低い靴のインソール(ラテラルウェッジインソール)の有効性について,システマチックレビューとメタアナリシスを実施。同インソールを使用した膝OA患者と一般的なインソールを使用した同患者の間で,疼痛の軽減効果に有意差は認められなかったとする結果をJAMA(2013; 310: 722-730)に発表した。


近年,膝OAの有病率は上昇傾向にあるが,有効な治療選択肢は限られている。膝OAに対する人工関節置換術の施行が広がる中,有効な保存療法の開発は最優先課題とされている。  

膝OAで最も多いのは内側型であるが,その保存療法の1つに,靴底に内側よりも外側を高くするよう傾斜を付けたラテラルウェッジインソールを装着して膝関節の内側に対する負荷を軽減する方法がある。しかし,こうした治療法による疼痛の軽減効果に関する研究で一致した結果は得られていなかった。  

そこでParkes氏らは今回,内側型膝OA患者に対するインソールによる疼痛軽減効果について,システマチックレビューとメタアナリシスを行った。Cochrane Central Register of Controlled Trials,EMBASE,AMED,MEDLINE, CINAHL Plus,ScienceDirect,SCOPUSなどにより2013年5月までに発表された論文2,056件を収集し,インソール使用群と対照群に分けて膝OA患者の疼痛を評価したランダム化比較試験(RCT)12件を抽出した。

12件の研究の対象者数は計885例で,502例は足の外側が高く内側に向かって5°〜15°傾斜したラテラルウェッジインソール群に,383例は一般的なインソールの使用またはインソールを使用していない対照群に割り付けられていた。試験期間は最短で2週間,最長は2年間だった。  

ラテラルウェッジインソール群と対照群のエフェクトサイズの標準化平均差(SMD)は−0.47〔95%信頼区間(CI)0.80〜0.14〕で,インソール使用群で有意な効果が認められた(P<0.001)。これは,Western Ontario and McMaster Universities Arthritis Index(WOMAC)疼痛スコア(0〜20ポイント)に換算すると,−2.12ポイントの改善に相当したが,試験間に高い異質性が認められた(I2=82.7%)。  

さらに,対照群をインソール未使用例に限定して4件の研究データを基にメタアナリシスを実施した。その結果,ラテラルウェッジインソール群とインソール未使用群のエフェクトサイズのSMDは−1.20(95%CI −2.09〜−0.30,I2=85.0%)で,ラテラルウェッジインソール群で有意に低かった(P<0.001)。  

一方,ラテラルウェッジインソール群と一般的なインソール使用群を比較した解析(7件)では,エフェクトサイズのSMDは−0.03(95%CI−0.18〜0.12)で,両群間で有意差は認められず(P=0.37),試験間の異質性は低かった(I2=7.1%)。  

これらの結果から,Parkes氏らは「ラテラルウェッジインソールは内側型膝OA患者の疼痛緩和には有効ではないことが示唆された」としている。


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これは、なかなか厳しいレビューです。変形性膝関節症の保存治療の選択枝のひとつが消えてしまいました。確かにouter wedgeの足底板を作成しても、鎮痛効果はイマイチなことが多いです。


こうなると、ますます薬物療法や膝関節腔内注射(2013年版のAAOSのガイドラインでは推奨しないとされましたが・・・)中心の外来治療となりそうです。


もちろん、体重コントロールも有効な治療だと思いますが、生活習慣を変えないかぎり減量は難しいのが現状です。経験則によらないエビデンスを追求した膝関節の治療は本当に難しいですね。



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