整形外科医のブログ

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転位

踵骨裂離骨折では創治癒不全に注意!

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先日、踵骨アキレス腱付着部裂離骨折の手術がありました。
踵骨骨折の中でもアキレス腱付着部裂離骨折は比較的稀です。


文献的には全踵骨骨折に占める割合は、3~4%前後と報告されています。この骨折の厄介なところは、皮膚壊死や創治癒不全を併発しやすいことです。


皮膚壊死の原因については諸説ありますが、アキレス腱に引っ張られて裂離骨片の大きな転位が生じることにより皮下組織と深部との循環が途絶するためと言われています。


これは、一種のdegloving損傷と類似の病態です。したがって、踵骨アキレス腱付着部裂離骨折では術前から創治癒不全の可能性を考えておくべきだと思います。


以前に経験した症例では創治癒に1ヶ月近くかかりました。それでも何とか創は治癒したので結果オーライですが、なかなか上皮化しないためかなり焦った記憶があります。


踵骨アキレス腱付着部裂離骨折は比較的珍しい骨折なので、創治癒不全併発の危険性を知らない方が多いと思います。


経皮的に整復固定できればベストですがなかなか上手くいきません。骨折の整復に気を取られて皮下を剥離しすぎると創治癒不全併発の危険性が高くなるので注意が必要だと思います。



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何故、その転位は整復されないのか?

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先日、足関節脱臼骨折(SE stage 2)に対してプレートを用いた関節内骨折観血的手術を行いました。整形外科医にとっては、極めてオーソドックスな手術だと思います。


ただ、今回の方は受傷から2週間近く経過していました。このため、骨折の転位を整復することがいつもよりも少し難しかったです。


このように骨折の観血的手術において整復が難しい場合の対応方法ですが、私は断腸の思いで骨折部周囲の軟部組織を剥離することにしています。


骨折の手術なので、どうしても骨折部にばかり目が行きがちです。このため「骨」のみを見て「骨」を操作することで何とか整復しようと躍起になってしまいます。


しかし、実際は骨折の整復を阻害している要因の大部分は骨周囲の軟部組織です。今回のような受傷から時間が経っている症例では特に顕著となります。


整形外科医は骨周囲の軟部組織を温存する教育を過剰なほど受けています。これはおそらく、初期の骨折観血的手術の際に、軟部組織を無視していたアンチテーゼでは?と考えています。


しかし、今ではこの軟部組織を過剰に温存する考え方が、骨折手術の難易度を上げてしまう要因となっている印象を受けます。軟部組織の温存はもちろん重要です。


しかし、過剰にこの考え方に縛られるよりは、少し視野を広げて何故骨折の整復が阻害されているのか? という原点に戻って術中操作を選択する必要があるのではないかと思います。



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橈骨遠位端骨折の側面像読影時のピットフォール(?)

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今日の午前は外来でした。
7週間前に橈骨遠位端若木骨折を受傷した11歳の小学生を治療しています。


本日までギプスシーネ固定していました。単純X線像正面像では角状変形は無いのですが、側面像では約
20度の角状変形を生じていました。


一般的に小児の場合は、正面・側面とも20度の転位まではremodlingが期待できると言われています。しかし、それ以上の転位を併発した場合には、再度の整復が必要となります。


微妙な角度なのですがワンプレーンのみなので、このままremodlingを期待して経過観察することにしました。後追いで単純X線像を確認すると受傷後1週の時点で転倒しており、その際に少し転位が増悪したようです。


手関節や前腕の側面像では橈骨と尺骨が重なるため、20度程度の角状変形は目立たないケースがあることに気付きました。橈骨骨幹部を見ていたつもりが尺骨骨幹部だったのです・・・。


意外な(?)落とし穴だと感じたので、心のメモ帳にしっかりと記憶を焼け付けました。



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小児上腕骨外顆骨折のピットフォール

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今日の午前は、外来でした。
1週間前に椅子から転落して上腕骨外顆骨折を受傷した3歳児の保存治療を施行しています。


整形外科医であれば正確な単純X線正面像をみれば、一目瞭然で骨折の有無が分かりますが他科や整形外科としての経験が浅い医師では見逃しがちな骨折だと思います。


痛がって肘関節を完全伸展できないケースが多く、転位が1mm程度の場合には母床と重なって単純X線正面像で骨折部が分からないこともあります。


ちなみに転位1mmは保存治療可能な限界の転位です。現在治療中の児も受傷後1週目の今日の単純X線正面像はやや肘関節屈曲位で撮影されたため骨折が分かりませんでした。


経験を積んだ整形外科医であれば初診時の局所所見をみれば外顆骨折の見当がつきますが、完全伸展できていない単純X線正面像には注意が必要です。


上腕骨外顆骨折を疑うがどうしても肘が伸展できない場合には、前腕をやや浮かせた状態で上腕に合わせて正面像を撮影すればよいと思います。


治療は2mm以上の転位で手術適応です。1mmの転位の場合には3-5日に一度は単純X線を施行して転位の増悪がないことを確認する必要があります。




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