今日の午前は外来でした。相変わらず、土曜日の午前中はとても忙しいです。30歳ぐらいの男性が2週間ほど前から右中指の基部に腫瘍を触れるとのことで初診されました。


触診すると確かに中指の近位指皮線下に径5mm程度の可動性のある腫瘤を触知しました。個人的には近位指皮線はガングリオンが好発する部位だと思います。


この部位にできるガングリオンは小さいにも関わらず、痛みをきたすことが多い印象です。径3mm程度でも痛みを訴えるケースもあり、穿刺するべきかを悩むことが多いです。


今日の方は径5mmぐらいだったので、ギリギリ穿刺可能なサイズと判断しました。イソジンで中指の近位指皮線周囲と私の左示指尖端を入念に消毒しました。


そして左示指で腫瘍を触知しながら、慎重に18G針を腫瘍に刺入しました。すると皮膚上にゼリー状の内容物がでてきたのでガングリオンと診断できました。


さすがに5mmよりも小さいガングリオンでは、針を刺入しても外すことがあるので、できるだけガングリオン穿刺術は施行しないようにしています。私の中では5mmが穿刺する最小サイズです。




                 ★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。



                      

 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)