先日、アルバイト先で外来をしていた際に、膝関節周囲の骨折の方が初診されました。
転位が大きく手術適応であったので、その旨を患者さんに説明しました。
「骨折の転位が大きいので手術が必要だと思います」と言ったところ、患者さんがあくびをし始めました。思わず ”態度が悪い!” と感じるところですが、そう思ってしまうと医師失格です。
このようなケースでは気分不良が無いかをまず患者さんに確認するべきです。案の定、気分が悪いとのことだったので、すぐに診察室のベッドに横になってもらいました。
この「あくび」は、迷走神経反射による血圧低下の症状です。医師は、常に患者さんの状態の変化を観察しておくべきだと思います。
特に、男性患者さんや未成年の患者さんに多い印象を受けます。患者さんが外来受診をする際には、程度の差こそあれ普通は緊張しているものです。
そんな精神的に少し緊張している患者さんが、眠かったり話しの診察内容に興味が無いために「あくび」をすることは、通常の状況では考えにくいです。
したがって、医師の前で患者さんが「あくび」をし始めた場合には、迷走神経反射を併発している可能性を念頭において迅速に対応するべきだと思います。
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迷走神経反射
昨日の午前は、出張先での外来でした。
打撲による肘関節血腫の小学生の男児が受診しました。
かなり痛そうだったので関節穿刺を施行したところ、”気分が悪い・・・”と言い出しました。顔面蒼白で、いわゆる疼痛性の迷走神経反射です。迷走神経反射とは痛みや不安などが誘因となって、副交感神経である迷走神経の働きが優位になった状態です。
副交感神経である迷走神経が優位になると、心拍数が落ちて末梢血管が拡張するので血圧が低下します。このため嘔気や気分不良をおこしてしまうのです。このような場合には、診察ベッドに臥床させて下肢を挙上すれば速やかに症状は軽快します。
迷走神経反射は、骨折整復などの痛みを伴う処置を頻回に行う整形外科外来ではよく見かけます。私は橈骨遠位端骨折などの徒手整復の場合には、あらかじめベッドの上に患者さんを臥床させた状態で整復を施行します。こうすることで、迷走神経反射を併発しても嘔気や気分不良を自覚しないのです。
しかし、今回の関節穿刺は誤算でした。よもや関節穿刺程度で迷走神経反射を併発するとは思わなかったのです。たしかに男児は女児に比べて痛みに弱い傾向があるので、子供の場合には関節穿刺であっても臥床して施行する方が望ましいのかなと思いました。
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