「医はサービス業」という信念のもと(笑)、私は患者さんにできるだけ不自由をかけないような外来診療を心掛けています。そのうち最も気を使っているのが待ち時間の短縮です。
私の場合は予約診察がベースなのですが、それでも時間通りに診察を進めることは難しいです。医師サイドがいくらがんばっても、患者さんが素早く動けない場合が多々あるからです。
この問題を解決するために、私はできるだけ患者さんを動かさない診察を心掛けています。患者さんが動くよりも私が動く方が数倍速いので診療速度が上がります。
例えば膝関節注射の両側例では、椅子に座ったまま膝関節90度屈曲位として注射をします。この際に問題になるのが、膝関節裂隙の位置が判りにくい患者さんが存在することです。
特に肥満の患者さんでは膝関節屈曲位にすると膝関節裂隙の位置が判らなくなりがちです。脛骨粗面を触知して関節裂隙を探し始めても、どこが膝関節裂隙が判らないのです。
その場合には膝蓋骨下極の位置をメルクマークにしています。ACL再建術における関節鏡の外側ポータルを膝蓋骨下極レベルよりもやや末梢に置くことが多いことに気付いたからです。
このように、患者さんを動かさずに自分が動くことで、無駄な時間を排したスピーディーな診療が可能になります。待ち時間の短縮は、きっと大きな患者さんサービスになると思います・・・
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初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です
整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)
関注
私は細かい作業をするときに、少しですが手先が震えます。
子供の頃からなので、おそらくアルコール中毒というわけではないと思います(笑)。
医師としての業務を行う上で、手先の震えが強いとさまざまな支障があります。例えば関節腔内注射の消毒の際に、イソジン綿球が小さいと清潔鑷子に当たってしまいそうになります(※)。
※ 最近ではディスポの消毒セットを使用するケースが多いですが、収益性の高い医療機関ほど小さな綿球を使用する傾向にあると思います。
私の場合は仕事の支障になるほどの手先の震えではないのですが、見た目がカッコ悪いので何とかならないものかと思案したところ妙案を思いつきました。
その方法とは、もう片一方の手を添えて鑷子を使用するという工夫です。私は右利きなのですが、左手を鑷子の下に添えるだけで、ピタッと手先の震えが止まります。
見た目にも両手を使っているので丁寧に行っていると思われるメリットもあります。これを応用してヒアルロン酸製剤を関節腔内注射する際にも両手で行うようになりました。
23G針を使用しているので片手だと結構大変ですが、両手で注射すると苦も無く注入することができます。手先の震えで困っている方や関節注射を楽に施行したい方にはお勧めの工夫です。
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今日の午前は出張先で外来でしたが、とにかく眠くて椅子から転げ落ちそうになりました(笑)。
昨夜は当直をしていたのですが、夜中の4時ごろに病棟からコールがありました。
ネムケ眼に「はい、当直です、もしもし~」と電話にでましたが、雑音が聞こえるばかりで一向に返事がありません。1分ぐらい「もしもし~」とやっていましたが、埒があかないので電話を切りました。
おそらく深夜の看護師さんがポケットにPHSを入れたまま、何かに当たって自然にコールされたのでしょうね。変な時間に起こされたのでそれ以後眠れなくなりました。今日は少し運が悪かったです。
今日も外来では関節腔内注射をたくさん施行しました。膝関節や肩峰下滑液包内注射は簡単ですが、肩関節の前方からの注射はやや苦手意識があります。
肩関節前方は関節腔のスペースがあまり無いため、針を確実に関節内に入れることが難しいのです。私は初診時の単純X線の肩関節正面像を見ながら肩関節前方の関節腔内注射を行います。
烏口突起の位置を確認して一横指外側から刺入するのですが、単純X線の肩関節正面像を見ながら施行するとイメージしやすいのです。肩関節前方からの注射が苦手な方は一度試されてはいかがでしょうか。
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