整形外科医のブログ

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関節拘縮

上肢手術で早すぎる復職は危険!

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最近は転位の大きな橈骨遠位端骨折に対して、積極的に掌側プレートを用いた手術治療を行っています。手術治療のメリットは早期から関節可動域訓練が可能なことです。


しかし、術後1週間目の早期から復職する等のあまりに激しい負荷を掛けると、患肢の高度の腫脹をきたして機能予後が悪くなることを経験しました。


下肢であれば多少組織が腫脹しても大関節が多いので、それほど機能障害を残すことはありません。しかし、上肢で高度の腫脹を併発すると軟部組織の伸張性を毀損してしまいます。


具体的には腫脹により関節包靭帯が癒着してしまうため、関節可動域がかなり悪くなってしまうのです。一度、このような状態になると手関節鏡による授動術が必要となります。


このため最近では、リハビリテーションを施行する時以外には、敢えて術後1週ほどは外固定を併用する方が良いのでは?と思うようになりました。


やはり、「手の外科」という分野があるぐらい、上肢の治療は繊細で難しいと改めて感じています。



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いわゆる、「 オムツ骨折 」に対する手術治療

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昨日の午後は、大腿骨顆上骨折に対する骨折観血的手術でした。
寝たきりで股関節および膝関節の屈曲拘縮をきたしている超高齢者の方でした。


このような方は廃用のため、全身の関節が拘縮しています。そのためオムツ交換などの際にスムーズに開脚できないことが原因となって、大腿骨近位部骨折や大腿骨顆上骨折をおこしてしまいます。介護の現場ではこのような骨折を『 オムツ骨折 』と呼ぶそうです。


普段から拘縮をつくらない介護を行うのが予防方法と言われていますが、実際の現場ではなかなかそんなキレイごとは通用しないと思います。そして、発生してしまった骨折は我々整形外科医が治療せざるえません。


このような骨折をおこす方は、高度の骨粗鬆症であることがほとんどです。ギプス固定などの保存治療も、手術治療を選択するのも難しいため、頭を抱えてしまいます。単純X線像ではほとんど皮質骨が無いことが多いため手術を行っても十分な固定力を得られませんが、保存治療では骨折部の褥創や偽関節を高率に併発します。


昨日の手術は、このように大腿骨の皮質骨がほとんど確認できないような方でしたが、ロッキングプレートで内固定したところ及第点と思われる固定力を得ることができました。ロッキングプレート/スクリューの登場で、高度の骨粗鬆症症例でも治療可能になったのだなと改めて感じました。

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