先日、救急室から直電がありました。
自傷行為で頚部を包丁で切った!患者さんがいるのでヘルプとのことでした。


とんでもないことするな...と思って救急室に急行したのですが、まず救急室の天井を見上げました。しかし、天井には血液は付着していません。


以前、頚椎前方除圧固定術の際に、動脈を損傷して出血が止まらなくなったことがあります。泉のように血が湧き出てくるので、ヤバいと思って耳鼻科に応援依頼しました。


すぐに耳鼻科部長が応援に駆けつけてくれたのですが、手術室に入るなり天井を見上げて「大丈夫だな
」とおっしゃいました。



頚動脈本体を損傷した場合には、動脈圧が高いので天井まで血が吹き上がるのですが、天井は無傷(?)だったので、頚動脈損傷ではないという判断だったそうです。


その時はナルホドーという余裕も無かったのですが、後から思い返して得心したしだいです。今度は立場が逆になって、
その時の経験が今回の私の行動になりました。



派手にバックリと開いた傷でしたが、幸いにも小動脈の枝だったようで何とか止血して事なきを得ました。とりあえず、自傷行為で首を切るのは止めてもらいたいと切に思いました。







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