整形外科医のブログ

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骨折観血的手術

橈骨遠位端掌側プレートの私的コツ

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先週は年末年始の大雪のために、橈骨遠位端骨折に対する手術が立て続けにありました。
いずれの症例も、Watershed Line Designの掌側プレートを用いた内固定を行いました。


一時期、方形回内筋を温存しようと試みましたが、最近では手術時間短縮と正確な部位へのプレート設置を第一に考えて、以前の方形回内筋の縦切方式に戻しています。


かなりの症例をこなしていることもあり、最近では掌側プレートを用いた手術のコツが何となく分かってきたような気がします。私が気付いたコツは下記の5点です。


① Watershed Lineを用手的もしくはエレバトリウムの先端で確認
② 掌側プレート(Watershed Line Design)の末梢端をWatershed Lineに合わす
③ 橈骨遠位骨片の尺側・関節面からそれぞれ1mmの部位にプレート端が位置するよう仮固定
④ プレート中枢側は橈骨骨幹部の尺側縁から5mm程度は掌側に浮くようにする
⑤ 仮固定から全てのロッキングスクリュー刺入完了まで、プレートを遠位骨片に圧着し続ける


これらのポイントは、ほぼ同時作業になります。展開で5分、橈骨遠位骨片への全てのロッキングスクリュー刺入完了まで20分をひとつの目安にしています。



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ラグスクリューが長い・・・

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昨日の午後は、大腿骨転子部骨折に対して骨折観血的手術を施行しました。
今回は入院後2日目での手術で、やや遅めでした。


さて、いつものごとく大腿骨近位部骨折用のshort nailを使用しましたが、ちょっとしたピットフォールに陥りました。まずは下の画像をご覧ください。


術前



術後



一見、何の問題も無さそうですが、実は、lag screwの尾側が大腿骨外側皮質から約5mmほど出ています。ちなみにこの両股関節正面像では、そのことを確認することはできません。


lag screwをよく観察するとやや大腿骨頚部前捻角の分だけ回旋しています。つまりlag screwをやや斜めから見ていることになるので、このアングルからは至適な長さなのです。


しかし、実際にはlag screwの正面像で見ると、lag screwの尾側が大腿骨外側皮質から約5mmほど出ていたのです。最後の術中イメージの確認でこのことに気付きましたが時既に遅しです。


術中のイメージでは、この画像の角度でスリーブが大腿骨外側皮質に接しているように見えたので、実際の長さよりも約5mm長いscrewを選択してしまいました。


今回のピットフォールで、術中イメージの画像だけではなく実際にスリーブが大腿骨外側皮質骨に接触している感覚を得るまでスリーブを挿入するべきだということを学びました。


tensor fascia lata等が邪魔をしてスリーブを挿入しづらいことが多々ありますが、やはりlag screwの計測は一番大事なところなので、しっかり皮質骨に当たるまで挿入するべきですね・・・。




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方形回内筋温存の掌側プレート固定法

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昨日の午後は橈骨遠位端骨折に対する骨折観血的手術でした。
Watershed Line Designの掌側プレートを用いた内固定を行いました。


方形回内筋を温存しようと試みています。最初のころは方形回内筋を繊維方向にスプリットしてプレートを筋層下に滑り込ませていましたが、なかなか最後まで温存できませんでした。


最初のうちはそれなりに方形回内筋は温存されているのですが、整復操作やロッキングスクリュー刺入を施行しているうちに方形回内筋が断裂して、最後にはビキニ状となってしまいます。


そこで、方形回内筋の筋腹をスプリットするのではなく、方形回内筋の手関節側の末梢縁を剥離してプレートを筋層下に滑り込ませるようにしました。


この変更により、肉眼的には方形回内筋をかなり温存できるようになりました。実際に術後の身体所見として方形回内筋温存の効果はよく分かりませんが、主治医の満足感は高いです(笑)。


何事も一歩一歩手術手技を改善していくことで、最終的な治療成績も少しずつ向上していくのかなと期待しています。



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橈骨遠位端骨折に対する方形回内筋温存手術ってどうですか?

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昨日の午後は、橈骨遠位端骨折に対する骨折観血的手術でした。
掌側プレートによる内固定を行っています。


最近は、方形回内筋を温存しようと試みていますが、なかなかすっきりいかないことが多いです。手法としては、方形回内筋を繊維方向にスプリットしてプレートを筋層下に滑り込ませています。


最初のうちはそれなりに方形回内筋は温存されているのですが、整復操作やロッキングスクリュー刺入を施行しているうちに方形回内筋が断裂していき、最後にはビキニ状にしか残っていないことが多いです・・・。


最近のプレートは薄いものが多いので、従来どおりに方形回内筋を剥離してプレート固定後に逢着する方が方形回内筋を温存できるのかもしれません。私はこうしている等の工夫があれば是非ご教示いただきたいです。




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上腕骨近位端骨折に対する髄内釘

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昨日の午後は、上腕骨近位端骨折に対する骨折観血的手術でした。
ショートの髄内釘を使用しました。


上腕骨近位端骨折では近位骨片が腱板に引っ張られて回転転位しやすいです。そのままエントリーすると上腕骨近位骨片のかなり外側からエントリーすることになり、固定不良やmalalignmentをきたします。


これを避けるためには上腕骨近位骨片の回転転位を整復する必要があります。昔はSteinmann pinを刺入して梃子の原理で整復していました。しかし手技が煩雑になるので少々コツが必要な手術でした。


最近ではガイドピンを上腕骨近位骨片に刺入する際に、可能なかぎり内側に刺入するようにしています。ガイドピンを近位骨片に刺入した段階で、肩峰外側端を支点にしてこじることで近位骨片の回転転位が整復されます。


この状態で骨幹部にまでガイドピンを進めると、後は定型的に手術を施行するだけです。ガイドピンの太さが足りないとガイドピンがしなってしまい整復できないこともありますが、径2.5mm前後あれば問題無くに整復できます。



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