整形外科医のブログ

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骨挫傷

不顕性骨折と骨挫傷の違いは?

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臨床では、骨挫傷を比較的よくみかけます。通常、あまり大きな問題になることはないですが、画像所見が比較的派手なので、不顕性骨折との関連性について調べてみました。


単純X線像で所見の無い症例であっても、疼痛が続く場合にMRIを施行すると、骨髄内に浮腫ないし出血の信号(T1WI像・低信号+T2WI像・高信号)を呈していることがあります。
 
 

この信号変化は、不顕性骨折(occult fracture)や骨挫傷(bone contusion またはbone bruise)と呼ばれる病態で、MRIによる画像診断から生まれた概念です。



骨挫傷は、病理学的には微小な骨梁骨折と、それに伴う骨髄内の出血や浮腫を反映しているとされています。その自然経過はさまざまで、多くの帰結をとることが明らかになっています。


そのなかで、骨髄の浮腫のみでやがて消退する単純な「骨挫傷」は、文献的にはMRIでの異常信号像は約6週間~12週間で消退するとされています。


骨挫傷は、地図状のT1 強調画像・低信号領域、T2強調画像・高信号領域として描出されます。一方、不顕性骨折と骨挫傷との間に、明瞭な区別はできていません。


一般的には、T1 強調画像において、線上あるいは帯状の低信号領域を示すものを不顕性骨折、地図状の低信号領域を示すものを骨挫傷と称しています。

 

この画像所見は、骨同志が直接ぶつかり合うことによる圧迫力が加わった場合に著明であり、靱帯や腱の剥離のような伸延力による傷害では軽度であることが知られています。


 

つまり、骨挫傷は膝関節で大腿骨と脛骨が衝突する場合など、関節において骨が互いに衝突する場合や、骨に直接外力が加わったときに生じます。


 

骨挫傷の臨床的な意味合いは、疼痛の原因となりうることです。単純X線像では異常がみとめないが、疼痛が持続する場合には、骨挫傷が原因である可能性も考えるべきでしょう。


 

ただ、一般的には受傷後1 ヵ月以降で骨挫傷は消退する傾向が明らかになり、2~3 ヵ月後にはほとんど検出されなくなります。これに伴い、臨床症状も消失することが多いです。






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舟状骨のbone bruiseの治療をどうするか?

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先日、13歳の中学生が転倒して右手をついてから痛いとのことで受診しました。単純X線像では明らかな骨折を認めませんでしたが、舟状骨結節および解剖学的かぎタバコ入れ(anatomical snuff box)の軽度の腫脹・圧痛を認めました。


身体所見は、本物の舟状骨骨折ほどの腫脹ではありませんでしたが、明らかに舟状骨周囲の腫脹・圧痛があったので念のためMRIを施行したところ、舟状骨の遠位1/3がT1WIでlow intensity・Fat suppressionでhigh intensityでした。いわゆる骨挫傷(bone bruise)の所見です。


どうみても骨折線ではなかったのですが受傷後1週の時点でもまだ圧痛があったので、初診時に作成したthumb spica splintによる固定を継続しました。


受傷後2週の単純X線像で仮骨をみとめませんでしたが、受傷後4週である昨日の単純X線像で仮骨形成を認めました!身体所見では、舟状骨周囲の腫脹・圧痛はほぼ消失していましたが、実はbone bruiseではなく、骨折だったようです・・・。


う~ん、bone bruiseに対する概念を根本から覆される症例を経験してしまいました。膝関節周囲のbone bruiseなら外固定無しでどんどん荷重していきます。しかし、舟状骨のbone bruiseはなんとなく気持ち悪いので慎重な対応をしていたのですが、どうもその対応で正解だったようです・・・。




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