整形外科医のブログ

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骨棘切除

TKA: 顆間窩内側の骨棘切除は慎重に

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昨日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。
大腿骨の操作の際、骨切りを正確に行うために骨棘をどんどん切除すると思います。


PF周囲の骨棘切除は問題無いと思いますが、CRタイプのTKAでは顆間窩の骨棘を切除する際に注意が必要だと思います。


CRタイプではPCLを温存する必要がありますが、PCLの起始部は大腿骨顆間窩の内側壁前方なので、何気なく骨棘切除しているとPCL起始部を損傷してしまうことがあるからです。


このため、私は大腿骨顆間窩の骨棘切除の際には外側の骨棘は派手に切除しますが、内側の骨棘はやや控えめに切除することにしています。


蛇足ですが大腿骨・脛骨の骨切りを終了した際、膝関節を伸展位にして下腿を牽引すると膝窩部に太い索状物を触知するので、PCLが温存されていることが確認できます。


ときどきPCLを触知できないことがありますが、これは術中操作が原因ではなく術前からPCL機能不全が存在していたと私は考えています・・・。



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TKA: 骨棘はどんどん切除しよう!

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昨日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。
膝関節拘縮がある高齢者で、骨質も悪くてなかなかの難症例でした。


80歳以上の方の手術は、骨質が悪いことが多いため要注意だと思います。このような症例では安全に手術を施行するためには、ある程度皮切を大きくせざるを得ません。


更にこの方は骨棘形成がかなり高度でした。骨切り終了後の形をイメージしながら、最初から積極的に骨棘切除を行いました。骨棘を切除するにつれて徐々に展開が楽になっていきます。


骨棘切除は大腿骨顆部をメインに行うことが多いですが、脛骨顆間窩や脛骨近位前方~内側、そして膝蓋骨関節面の骨棘を切除することで展開が楽になるケースもあります。


特に膝蓋骨関節面の骨棘は”ラフカット”と称して最初からルーチンで切除する施設もあるほどです。ただし膝蓋骨骨棘を切除しすぎて術中骨折を併発しないように注意する必要はあります。


展開が難しい原因が骨棘の場合は、積極的に骨棘切除していくと手術がどんどん容易になります。TKAはsoft tissue surgeryと言われますが、骨棘切除も重要であることを再認識しました。



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THA: 拘縮の強い骨増殖性OAではどんどん骨切除しましょう!

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昨日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
この方は、著明な外転拘縮をきたした骨増殖性OAでした。


術前から可動域が小さい方は、難しい手術になることが多いです。拘縮の原因は骨性であることが多く、骨棘が発達しているために可動域制限が高度になるのです。


このような症例で拘縮を解除せずに寛骨臼の操作に進むと、大腿骨を十分に排除できないので、リーミングの中心位置が偏心することがあります。


拘縮を解除する方法としては、①軟部組織のリリース と ②骨棘切除 があります。通常は①を中心に手術を施行しますが、骨増殖性OAの場合には②を優先するとスムーズに拘縮が解除できます。


特に坐骨部の巨大骨棘を切除することで、大腿骨の排除も容易になり関節の緊張も緩みます。まずは坐骨部の骨棘切除をターゲットにすると良いのではないかと思っています。




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THA: 骨増殖性変化の強い症例では骨棘を徹底的に切除しています

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昨日の手術は、午前・午後とも人工股関節全置換術(THA)でした。
午後の方は、骨増殖性変化が強くて関節拘縮も高度でした。


このような方は、展開が難しいので大腿骨骨折を併発しないように慎重に手術を行う必要があります。首尾良く脱臼できても、まだ安心できません。


骨棘形成が著しいため、寛骨臼がタコツボのようになっていることが多いです。このような場合にはリーミングの前段階で邪魔になる骨棘を切除します。


そして、リーミングが終了してカップを設置してから、カップの赤道面よりも末梢側の骨棘を切除します。この操作により下記の如くのメリットがあります。


 ① ポリエチレンの設置が容易になる
 ② インピンジメントの原因が除去されるため、股関節が安定する
 ③ 拘縮した股関節の緊張が緩和されるため、術後のリハビリテーションがラクになる


できるだけ骨を温存するという考えもありますが、私は特にカップの赤道面よりも末梢側の余分な骨棘は基本的に全て切除するようにしています。


ただし。荷重部の骨棘(roof osteophyte)は別です。この部分はポリエチレン設置やインピンジメントの原因にはなりにくいので、インプランテーション後の緊張をを確認してから切除するかどうかを決定しています。



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THA: 臼蓋リーミングの深さを簡便に知る方法

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昨日の午前も人工股関節全置換術(THA)でした。
ダブルフロアを形成している典型的なOAの症例でした。


寛骨臼のリーミングの際に掘削の深さが問題になります。私は当初、3mm 丸ノミを用手的に刺入して内板までの距離を測っていました。


しかし最近では月状窩周囲の骨棘をリーミング前に切除して月状窩底(=ほぼ内板)を展開します。この操作により内板の深さを簡単に目視できるようになります。


月状窩底と周囲の海綿骨との段差が無くなるまでリーミングすることで内板近くまで掘削していることになり、多くの症例でこの深さまでリーミングすることがひとつの目安になります。


月状窩周囲の骨棘をリーミング前に切除することは簡単な操作なので、正確なリーミングを施行するためにもお勧めの方法です。



       
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