整形外科医のブログ

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骨粗鬆症

BMLは変形性膝関節症の増悪因子

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変形性膝関節症は、単純X線像で診断されることが多い疾患ですが、 MRIの普及によってbone marrow lesion (BML)と呼ばれる病態が明らかになりました。



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BMLは、MRIにおいて骨髄内の T1強調画像で低信号、T2強調画像で高信号をきたす信号変化です。BMLは、骨粗鬆症と変形性膝関節症との関連で注目されています。


膝関節は、変形性関節症が進行する過程で、ごく小さな骨壊死が頻回に発生していると言われています。この過程は、股関節の大腿骨頭壊死症とは大きく異なります。


最近では、膝関節骨壊死症は、軟骨下骨挫傷によって二次性に発生する骨壊死である可能性が高いと考えられています。つまり、この骨壊死がMRIで軟骨下骨に認められる BMLです。


BMLは軟骨下骨の骨挫傷なので、骨粗鬆症が進行すると併発するリスクが増加します。このため、変形性膝関節症の進展を予防するためにも、骨粗鬆症の治療が重要となります。


私は、変形性膝関節症と骨粗鬆症は関係の無い病態だと考えていましたが、BMLのことを考慮すると、変形性膝関節症の患者さんには積極的に骨粗鬆症の治療も行おうと思いました。






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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








顎骨壊死のポジションペーパー

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第34回日本骨代謝学会学術集会において、4年ぶりの改訂となる6学会共同(1)の顎骨壊死ポジションペーパー2016が公表されました。私の感じた主なポイントは下記3点です。


  • 骨粗鬆症患者に骨吸収抑制薬を予防的に休薬してもARONJ(2)発生率の低下は認められず、休薬による発生予防との関連は不明である。

  • 発生頻度から見ると休薬による骨密度低下や骨折発生増加の方が問題であり、休薬のリスクよりも継続投与の利益の方が優る。つまり、歯科治療前の休薬を支持する根拠はない。

  • 医科歯科連携不足がARONJの問題を大きくしているのかもしれない。歯科医師は患者を通じて医師の治療方針の変更を要請するような行為は慎むべきである。


治療が難しいARONJを実際に担当する歯科医師の気持ちは理解できます。しかし、ARONJを重視しすぎるあまり、患者さん全体のリスク・ベネフィット感覚を失ってはいけないと思います。


また、日常診療では「歯科で骨粗鬆症の薬を止めるように言われた」とおっしゃる患者さんが多いです。患者さんを伝書鳩に使うのではなく、診療情報提供書で依頼するべきでしょう。



  1. 日本骨代謝学会、日本骨粗鬆症学会、日本歯周病学会、日本歯科放射線学会、日本口腔外科学会、日本臨床口腔病理学会
  2. 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死〔Anti-resorptive agent-related Osteonecrosis of the Jaw(ONJ);ARONJ〕




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円背では逆流性食道炎に注意が必要

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今日の午前は外来でした。
脊椎圧迫骨折後の患者さんで、現在骨粗鬆症の治療をしている方が受診されました。


この方は多発性脊椎圧迫骨折があるため、かなりの円背をきたしています。幸いにも、背部痛や腰痛などは現在訴えられていません。


しかし、最近胸やけがするので、どうにかして欲しいという要望がありました。この方の体型は円背のために、お腹が少し出ています。


お腹が出ることは、円背のために腹腔の容積が小さくなったため発生します。そして、腹腔が小さくなったため胃が圧迫されて腹圧が上昇し、胃酸の逆流が起こりやすくなります。


つまり、この胸やけは逆流性食道炎(GERD)による症状なのです。円背そのものを治療する手段は無いので、基本的には逆流性食道炎の治療を行うことになります。


逆流性食道炎の治療は、酸分泌抑制薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)、またはヒスタミン受容体拮抗薬(H2ブロッカー)投与です。


通常は内科医師に投与をお任せしていますが、この方は内科に定期通院していません。そこで、今日のところはPPIを2週間処方した上で、内科を受診するように促しました。


逆流性食道炎(GERD)の治療では、PPIやH2ブロッカー投与以外にも生活習慣の改善が推奨がされています。生活習慣の改善項目は下記のごとくです。

① 脂っこいものや刺激の強いものを摂りすぎない 
② 食べ過ぎに注意する  
③ 食べてすぐに横にならない 
④ 寝るときに少し上半身を高くして寝る
⑤ お腹をしめつけない姿勢を心掛ける 
⑤ 禁煙する


しかし、薬物療法や生活習慣の改善を行っても、円背の存在のため逆流性食道炎の完治は難しいです。やはり円背を作らないことが重要で、骨粗鬆症の治療の必要性を改めて感じました。



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 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



円背と逆流性食道炎

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今日の午前は外来でした。
骨粗鬆症の治療をしている患者さんが受診されましたが、最近胸やけがするとのことです。


この方は多発性脊椎圧迫骨折があるため、かなりの円背をきたしています。このため体型が昔とかなり変わってきたそうで、お腹がぷっくりと出ています。


お腹がぷっくりと出ることは、円背のために腹腔の容積が小さくなったため発生します。腹腔が小さくなったため胃が圧迫されて腹圧が上昇し、胃酸の逆流が起こりやすくなります。


つまり、この胸やけは逆流性食道炎(GERD)による症状なのです。円背そのものを治療する手段は無いので、基本的には逆流性食道炎の治療を行うことになります。


逆流性食道炎の治療は、酸分泌抑制薬であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)、またはヒスタミン受容体拮抗薬(H2ブロッカー)投与なので内科医師にお任せします。


しかし、生活習慣を下記のように改めることが重要だそうです。

① 脂っこいものや刺激の強いものを摂りすぎない 
② 食べ過ぎに注意する  
③ 食べてすぐに横にならない 
④ 寝るときに少し上半身を高くして寝る
⑤ お腹をしめつけない姿勢を心掛ける 
⑤ 禁煙する


この患者さんは太ってお腹が出たために、胸やけがおこると考えていたそうです。このため「痩せなければ」と思っていたそうですが、痩せても根本的な解決にはならないことを説明しました。


円背を作らないようにするためにも、骨粗鬆症の治療を地道に行う必要性を改めて感じました。



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       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



日本の骨粗鬆症治療は遅れている?!

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先日、同じ病院に勤めている上司と焼肉に行ってきました。
お互い家族同伴だったのですが、こちらのチビ軍団が騒々しくて大変でした(笑)。


さて、焼肉を食べながら骨粗鬆症治療の話題になったのですが、上司曰く日本の骨粗鬆症治療は欧米(特に北欧)と比べて遅れているとのことです。


最近ではドラッグラグ(drug lag)も緩和されており、欧米でしか使用できない薬剤は少ない印象なので、どのような点が遅れているのか訊いてみました。


曰く、日本では大腿骨近位部骨折の手術を施行してもリハビリテーションが終了したら、そのまま骨粗鬆症の薬剤を投与しないまま何となく治療が終了してしまうことが多い点だそうです。


病診連携の絡みもあって確かにそういう症例が多い気がしますが、次に上司から聞いた言葉が衝撃的でとても印象に残りました。


「心筋梗塞後に高血圧の治療をしない循環器内科医はまず考えられないのに、大腿骨近位部骨折後に骨粗鬆症の治療をしない整形外科医が多いのはいただけないなぁ」


まさに、おっしゃるとおりです・・・。何となく高齢者の大腿骨近位部骨折は突発的な事故のイメージがありますが、ベースに骨粗鬆症による骨脆弱性があることは紛れも無い事実です。


明日から心を入れ替えて、高齢者の骨折後の患者さんには、ひとりも漏らさずに骨粗鬆症治療を施行したいと思います。



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