整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

骨軟部腫瘍

私が実践する骨軟部腫瘍診察の基本

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骨・軟部悪性腫瘍を診察するケースは、市中病院においてはそれほど頻度が高くないと思います。しかし、見逃すと患者さんの予後に関わるので、悪性腫瘍を念頭に置いた診察が必要です。


良悪性の簡易な判断法は腫瘍サイズだと思います。やはり、5cmを超えるものは悪性腫瘍を念頭に置くべきです。10cm以上はかなりアブナイので専門施設への紹介が望ましいと思います。


骨腫瘍の診断に関しては、画像診断だけでも比較的診断が容易です。単純X線像だけでも、全体の80%ぐらいの症例で良悪性の鑑別が可能だといわれています。


良性骨腫瘍の所見として下記のような特徴があります。

1. 境界明瞭
2. 辺縁に硬化像がある
3. 経時的な増大傾向が無い


悪性骨腫瘍の所見として下記のような特徴があります。

1. 境界不明瞭
2. 骨膜反応がある
3. 経時的な増大傾向がある
4. 骨外病変が存在する


一方、軟部腫瘍の診断は非常に難しいと思います。画像診断はMRIが中心ですが、はっきり言って私には全く分かりません(笑)。


私がMRIの所見で良性腫瘍と言い切れる軟部腫瘍は、脂肪腫、嚢腫、神経鞘腫ぐらいです。悪性軟部腫瘍の多くは境界明瞭であり、骨腫瘍のように悪性に特徴的な所見はありません。


悪性軟部腫瘍は、悪性骨腫瘍と比べて比較的高齢者に多いことも特徴です。したがって、経時的に増大傾向がある高齢者の腫瘍は、アブナイので専門施設への紹介が望ましいと思います。


最後に、骨盤の骨腫瘍(転移性腫瘍を含む)や後腹膜腔の軟部腫瘍などの体幹部に発生する腫瘍の存在には注意を払う必要があります。


これらの腫瘍は症状が出にくいので、腫瘍が大きくなるまで発見されないケースが多いです。私の周りにも後腹膜腔の悪性軟部腫瘍のため、不幸な転帰を辿った方が居られました。


あまり有効な対策は無いですが、慢性腰痛の患者さんに関しては体幹部悪性腫瘍の存在を念頭に、一度ぐらいはCTやMRIなどで骨盤や後腹膜腔の精査をしてもよいかもしれませんね。



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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


本当はガングリオンだったのでは??

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先日、外来をしていると De Quervain 病の方を診察しました。
もちろん、De Quervain 病自体は珍しくも何ともありません。


しかし、今回の方は橈骨茎状突起部がかなり膨隆していました。ぎょっとする程度ではないのですが、「アレ?ちょっと腫れているな 」 程度には目を引きます。


しかし、De Quervain 病で滑膜炎症の強い患者さんでは、橈骨茎状突起部がびまん性に腫脹することは散見します。今回の患者さんもそのケースに該当するのかなと思っていました。


一応触診してみるとAPLとEPB上に何となく固い腫瘤を触知するような気がしました。 ???と思って丹念に触診すると僅かに可動性のある径10mm×5mm程度の腫瘤のようです。


「 これは、もしやガングリオンでは? 」 と思い、橈骨神経浅枝がイヤでしたが思い切って穿刺してみました。すると、少量のゼリー状の内容物を吸引できました・・・


結論的にはガングリオンによる物理的圧迫が原因のDe Quervain 病だったのです。よく考えると第一コンパートメントには腱鞘があるので、ガングリオンが発生しても不思議ではありません。


しかし、私の比較的長い医師生活で、ガングリオンがこの部位に発生した患者さんを診察するのは初めてです。ふと、本当に初めての経験なのか? という疑念が湧き上がってきました。


今までびまん性の滑膜炎だと思っていた患者さんの何割かは、実はガングリオンであったということは無いのか? という疑念です。


思い返すと、絶対にガングリオンでは無いと言い切れないDe Quervain 病の患者さんが何人か居るような気がしました。もしや、あの患者さんも実はガングリオンではないのだろうか・・・


次回からは橈骨茎状突起周囲が腫脹している場合には、一応ガングリオン併発の可能性も頭の片隅に留めておきたいと思います。



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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


キャンサーボードって何ですか?

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私は時間のあるときに日本整形外科医学会雑誌をナナメ読みしています。
場末の勤務医なので、何もしていないとバカになってしまう可能性が高いからです(笑)。


今回の日整会誌(Vol.89 No.10 October 2015)では、第47回日本整形外科学会骨・軟部腫瘍学術集会の「骨転移治療戦略とがんのリハビリテーション」のシンポジウムを特集していました。


このシンポジウムでは「キャンサーボード」というフレーズが頻用されています。キャンサーボードとは何ぞや? 私は癌治療に関わることがほとんど無いので初めて見る言葉です。


キャンサーボードとは、英語のcancer board(=がんの評議委員会)という意味から、広い意味でとらえれば「がん医療に関する問題に対応するための院内の組織」となるそうです。


厚生労働省が、がん診療連携拠点病院の指定要件として「より適切ながん医療を提供できるよう、キャンサーボードを設置し定期的に開催すること」としたことで重要視されるようになりました。


たとえば、東京大学では各診療科の医師、看護部、薬剤部、外来化学療法部、放射線部、病理部、検査部、緩和ケア診療部、がん相談支援センター担当者などさまざまな職種が集まります。


そして、キャンサーボードでは一般的に下記のケースについて検討することが多いそうです。

① 原発不明がん
② 胚細胞腫瘍(卵子や精子になる細胞から発生した腫瘍。乳児・小児で見つかることが多い)
③ 心臓疾患、高齢者の認知症など合併症がある、あるいは複雑な病態を持っている
④ 重複がん(1人で複数の臓器からがんが発生する)
⑤ 病理医が診ても診断の確定が難しい


キャンサーボード設置によって、従来の医師の視点からの治療のみではなく、多職種ががん医療を話し合う機会を持つことによって、患者さんの希望をより反映できるようになるそうです。


整形外科医のキャンサーボードへの関わり方は、骨転移患者の骨折や麻痺のリスクを評価して、リスク軽減の対策と指導を行うことになります。


忙しい日常診療の中で、時間を割いて大勢が集まるのは関係者の負担も大きいですが、患者さんの利益であることは間違いないので、キャンサーボードが普及したら良いなと思いました。



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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


非骨化性線維腫の自然消退を目撃!

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先日、17歳の非骨化性線維腫(non-ossifying fibroma; NOF)の患児の診察をしました。非骨化性線維腫は、線維性骨皮質欠損(fibrous cortical defect; FCD)と組織学的には同一です。


比較的ポピュラーな良性骨腫瘍で、小児の主に大腿骨遠位の後面内側に好発します。骨皮質内にできる地図状の欠損で骨膜反応はありません。


15歳以上で骨硬化像を伴う症例では、自然消退する可能性が高いです。この患児は13歳から丸4年間観察しているのですが、先日の時点(17歳)で急激に自然消退しました。


NOF



自然消退することは容易に予想されたのですが、勤務医をしていると2~3年毎に異動があるので最後まで経過を追えるケースがそれほど無いと思います。


今の職場では少し長く御世話になっているので、初診からNOFの自然消退まで観察するという貴重な体験をしました。ひとつの職場に継続勤務させていただいていることに感謝ですね。



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MRIの当日説明は見逃しの温床

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昨日はアルバイト先で外来をしていました。
患者さんの時間の都合で、MRI施行後に当日受診して結果説明を行った方がいました。


MRIの当日説明の場合は、当然ながら放射線科医師による読影は間に合いません。しかし、整形外科分野では大きな見逃しは無いので、強く希望される場合には当日説明を行っています。


当日読影を行った方では、後日に放射線科医師の読影結果を確認する必要があります。自信があっても、2名の医師によるダブルチェックの方が、見逃しが発生する危険性が低いのです。


昨日、腰椎MRIを施行した方はL4/5の腰部脊柱管狭窄症でした。症状とも合致するので特に気に留めることもなく4週間分の内服処方を行いました。


そして、お昼ご飯を食べていると放射線科医師が寄ってきて、おもむろにその方の読影レポートを差し出しました。ナント、上行結腸に腫瘍がありそうとのことでした・・・。


本当ですか~?と言いながら再度MRIを確認しましたが、画像の説明を受けてもいまひとつ理解できませんでした。そもそも、画像の端に映っているモノが何なのかさえ分からないのです。


う~ん、これは注意して読影していても、自分だけの力では絶対に見つけることができないです。やはり、放射線科医師によるダブルチェックは必須ですね。


それはさておき、今回は再診予約を4週間後にしていました。そして4週間後には、放射線科医師による読影レポートの確認を忘れていたかもしれません。あぶなく見逃しするところでした。


これからも当日実施したMRIは、可能なかぎり放射線科医師による読影が終了するまで結果説明しないようにしようと思いました。




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