整形外科医のブログ

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骨軟部腫瘍

局所麻酔では、ちょっと無理です・・・

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昨日は、殿部軟部腫瘍の切除術を行いました。
MRIでは脂肪腫疑いだったのですが、サイズが10cm×7cm×5cmとかなり大きかったです。


脂肪腫でもサイズが5cmを超えると、悪性化する可能性が出てくるので切除術が推奨されます。この旨を患者さんに説明したところ、できれば局所麻酔で・・・と希望されました。


気持ちは分からないことも無いのですが、これだけ大きな軟部腫瘍を切除するためには相当量の局所麻酔薬が必要となります。局所麻酔薬の極量を超えてしまう可能性が高いです。


また、腫瘍の裏側は筋膜と軽度癒着していることもあるため、剥離することが結構難しいこともある印象です。このため、少し大袈裟かもしれませんが全身麻酔での手術を選択しました。


脂肪腫などの一般的で、ごくありふれた腫瘍の場合には、術中出血等で困ることは少ないので、安易に局所麻酔での手術を考えがちです。


しかし、病理検査で悪性だったことも考慮して、できるだけ被膜を破らないように手術を行う必要があります。そのためには充分な鎮痛が不可欠であり、全身麻酔の方が望ましいと考えます。


たかが軟部腫瘍、されど軟部腫瘍です・・・。
特にサイズの大きい軟部腫瘍では慎重に治療にあたるべきだと思います。



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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


頑固な腰痛では脊椎転移に注意

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今日の午前中はアルバイト先での外来でした。少し前に60歳台の男性の方が2ヶ月続く腰痛を主訴に初診されたのですが、単純X線像でL2椎体の硬化像を認めました。


L4~5にも硬化像がありましたが椎間関節を中心とした硬化像であり、L2のように椎体全体の硬化像ではありません。嫌な感じがしたので、念のためMRIを施行しました。


MRIではL2椎弓根から椎体までT1WI、T2WIとも低輝度だったので、転移性骨腫瘍と診断しました。単純X線像の所見と性別・年齢から前立腺癌を疑い、泌尿器科と内科に診察依頼しました。


そして、本日再診していただきPSAの値を確認すると異状高値だったので、泌尿器科が主体になって前立腺癌の治療を開始する運びとなりました。


今回は、排尿障害等はなく腰痛で前立腺癌が見つかったのですが、整形外科の外来をしているとときどきこのようなことに遭遇します。


やはり、頑固な腰痛患者さんの場合には、転移性脊椎腫瘍の可能性があることを念頭において、細心の注意を払って診察する必要があることを改めて認識しました。





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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


骨軟部腫瘍のWHO分類改訂点

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Medical Tribune 2014年3月13日号に興味深い記事がありました。
骨軟部腫瘍のWHO分類改訂点を解説」です。以下、Medical Tribuneからの転載です。


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2013年には骨軟部腫瘍の世界保健機関(WHO)分類が約11年ぶりに改訂され,代表的な疾患が削除された一方で新たな疾患概念が追加されるなどした。産業医科大学放射線科学教室准教授の青木隆敏氏は,第33回日本画像医学会の教育講演「骨軟部WHO分類の改訂をめぐって」で,日常診療で接する機会の多い骨軟部腫瘍を中心に特徴的な画像所見や改訂点を解説した。


富破骨型巨細胞腫瘍に関する章は,巨細胞腫瘍(GCT)の単独腫瘍名から富破骨型巨細胞性腫瘍(osteoclastic giant cell rich tumours)にカテゴリー名が変更された他,良性に小骨巨細胞性病変(giant cell lesion of the small bones)という概念が新たに分類された。


次に軟部腫瘍では,2002年版で悪性線維性組織球腫(MFH)と呼ばれていた腫瘍が粘液線維肉腫や多形型平滑筋肉腫,未分化多形肉腫(undifferentiated pleomorphic sarcoma)などに再分類されたが,今回の改訂からは未分化多形肉腫(undifferentiated pleomorphic sarcoma)がさらに未分化/未分類肉腫(undifferentiated/unclassified sarcoma)という名称に改められ,軟部悪性腫瘍の代表的疾患とされていたMFHの腫瘍名は完全に除外された。


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以上の2項目が、腫瘍は専門外の私が”ほっ~”と思った事項です。GCTは日常診療で比較的接する機会が多いですが、”富破骨型”という良く分からない名称になったのが印象的です。


悪性線維性組織球腫(MFH)という名称が無くなったことも驚きました。確かにMFHの中にもさまざなタイプがあり、肩関節周囲炎的な概念だと思っていました。


しかし、一般診療で悪性軟部腫瘍に接する機会が非常に少ない腫瘍非専門医にとっては、MFHの方が疾患のイメージできて良かったのですが・・・



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 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


近位指皮線の小さなガングリオン

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今日の午前は外来でした。相変わらず、土曜日の午前中はとても忙しいです。30歳ぐらいの男性が2週間ほど前から右中指の基部に腫瘍を触れるとのことで初診されました。


触診すると確かに中指の近位指皮線下に径5mm程度の可動性のある腫瘤を触知しました。個人的には近位指皮線はガングリオンが好発する部位だと思います。


この部位にできるガングリオンは小さいにも関わらず、痛みをきたすことが多い印象です。径3mm程度でも痛みを訴えるケースもあり、穿刺するべきかを悩むことが多いです。


今日の方は径5mmぐらいだったので、ギリギリ穿刺可能なサイズと判断しました。イソジンで中指の近位指皮線周囲と私の左示指尖端を入念に消毒しました。


そして左示指で腫瘍を触知しながら、慎重に18G針を腫瘍に刺入しました。すると皮膚上にゼリー状の内容物がでてきたのでガングリオンと診断できました。


さすがに5mmよりも小さいガングリオンでは、針を刺入しても外すことがあるので、できるだけガングリオン穿刺術は施行しないようにしています。私の中では5mmが穿刺する最小サイズです。




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公共プールの約6割で大腸菌を検出

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Medical Tribune 2013年7月25日号で、公共プールの約6割で大腸菌を検出 という記事がありました。


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Morbidity and Mortality Weekly Report(MMWR, 2013; 62: 385-388) 


・ 米疾病対策センター(CDC)は、昨シーズン中に公共プールから回収した濾過装置のフィルターを検査したところ、約6割から大腸菌が検出され、糞便による水質汚染が深刻な問題であることが分かったと発表した

・ 塩素などの消毒薬は病原菌を瞬時に殺すわけではない

・ プールに入る前には念入りにシャワーを浴び、下痢をしているときにはプールに入らない

・ 60分ごとにトイレ休憩を取る

・ 病原菌の殺菌力を最大化する適切なレベルの塩素濃度は1-3mg/L or ppm, pH7.2-7.8


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結構、衝撃的な数値で驚きました。私はPTAの役員をしているので分かるのですが、学校の25mプールの水を一度入れ替えるには30-40万円程度掛かるそうです。


したがって、頻回にプールの水を入れ替えるわけにはいけないので、どうしても塩素による殺菌がメインになるのでしょう。しかし塩素だけでは不十分なので、汚染を防ぐには利用者のモラルが大きいことに気付かされました。




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