整形外科医のブログ

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BP製剤

BP製剤と非定型骨折研究の決定版!

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ケアネットで興味深い記事ありました。
BP薬の非定形大腿骨骨折リスク、服用中止後速やかに低下/NEJM です。


これはなかなかすごい研究です。非定型大腿骨骨折とBP製剤の関係についての決定版といってよいかもしれません。19万6129人のnで人種も多様です。要点を下記に記載します。


  • 非定型骨折のリスクは、アジア人は白人の4.84倍
  • 身長・体重が高い・重いほどリスクは上昇
  • BP製剤の使用中止により非定型骨折リスクは急速に低下
  • アジア人のリスクベネフィットは、大腿骨近位部骨折 91例予防 vs 非定型骨折 8例発生
  • 3ヵ月未満使用例と比較した HRは、3~5年未満=8.86、8年以上=43.51


今まで知りたかった数字が具体的に並んでいます。白人に比べてアジア人の BP製剤での大腿骨近位部骨折の予防効果は劣っていますが、BP製剤を忌避する数字ではなさそうです。


しかも、BP製剤の使用中止により非定型骨折リスクは急速に低下するようです。これなら休薬期間を遵守することで、安心して BP製剤を投与できます。素晴らしい研究ですね!





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PTHの投入を忘れるな!

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先日、70歳台の女性が脊椎圧迫骨折を受傷されました。
特に誘因なく腰痛が出現したようで、L1、4の2椎体の圧迫骨折でした。


単純X線像では、T9・12の陳旧性圧迫骨折も既往にあるようです。圧迫骨折の治療としてロングフレームコルセットを作成することに異論は無いと思いますが、それだけで十分でしょうか?


今回のように比較的若年にも関わらず多椎体に脊椎圧迫骨折を認める場合には、圧迫骨折の治療だけで終了することは十分とは言えません。


圧迫骨折による楔状変形の椎体が増えると脊椎アライメントが増悪します。こうなるとますます力学的に圧迫骨折を併発しやすくなるので、この悪い循環をどこかで断ち切る必要があります。


この手段のひとつとして、現時点ではPTH製剤の導入が欠かせません。BP製剤とは異なり、PTH製剤は骨折の治療中からでも使用できます。


このため、フレームコルセットでの圧迫骨折の治療と並行して、骨粗鬆症の治療としてPTH製剤投与を開始するべきだと思います。


忙しい外来の合間にPTH製剤を導入するのは煩わしいです。しかし整形外科専門医を標榜するなら、目先の骨折治療だけではなく将来の骨折予防にも意識を向ける必要がありそうです。





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一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








PTH製剤→BP製剤の方が骨質改善効果が高いそうです

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先日、東京大学整形外科 川口准教授の骨粗鬆症治療薬選択に関する講演を拝聴してきました。海外の骨粗鬆症関係の文献のレビューが講演の題材となっています。川口先生の視点から、骨粗鬆症治療のアルゴリズムを提示されていました。


実は1年ほど前に私の義母(70歳台前半)が第1腰椎圧迫骨折を受傷しました。受傷機転は重量物を持つという軽微な外傷でした。脆弱性骨折であり問答無用で薬物治療開始の適応となります。


椎体骨折の既往が無く、今回が初めての骨折でした。椎体骨折の場合には、最初の骨折をいかに脊椎アライメントを整えて治療するかが再発を防止する上で重要なポイントになります。


費用負担を考えないのであれば、フォルテオのようなPTH製剤で最初の2年間で骨質の改善をはかり、その後ビスフォスフォ製剤(BP製剤)で改善した骨質を維持するという治療戦略がベストであると考えています。


ただ、明白なエビデンスを持っていなかったので、「常識的に考えたらこれが現時点でベスト」と言って治療するよう仕向けていました。しかし、川口先生はBP製剤→PTH製剤よりも、PTH製剤→BP製剤の方が骨質改善効果が高いというデータを示されました。


エビデンスとしても、PTH製剤で最初の2年間で骨質の改善をはかり、その後BP製剤で改善した骨質を維持するという治療戦略が有効であるというデータを見て安心しました。




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骨粗鬆症と高尿酸血症のガイドラインです。エビデンスに基づいた治療指針を学べます。


                                          

           骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン〈2011年版〉



                      

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ビスフォスフォネート(BP)製剤による顎骨壊死? その2

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ビスフォスフォネート(BP)製剤による顎骨壊死? その1 のつづきです


顎骨壊死?の発症機序


 口腔内での外傷(抜歯などの外科処置、不適合義歯) ⇒ 細菌感染
 ⇒ 顎骨骨髄炎 ⇒ BP製剤を投与されていると骨代謝が抑えられるので難治化


最も重要なことは、口腔内を清潔にし、歯周病などの顎骨にいたる慢性炎症がない状態を保持すこと だそうです。


また、整形外科医に求められることは、下記の件を歯科医師にお願いすることなのかなと思いました。


① BP製剤服用開始前に徹底した口腔内診査を行うこと 
② 顎骨に及ぶ歯科治療を終わらせておくこと
③ 口腔清掃状態を良行に維持する指導を行うこと
④ 継続した口腔衛生指導を行うこと


日常診療で完璧にこなすことは難しいですが、口腔内に問題のありそう方には注意を払う必要がありそうです。



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ビスフォスフォネート(BP)製剤による顎骨壊死? その1

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今年になって、『通院している歯医者さんから、この薬を飲むとアゴの骨が死んでしまうからキケンだと言われました』、と相談してくる患者さんが外来中に多くなりました。


たまたま重なっただけなのか、私の勤務する医療機関の近くの歯科医師が流布しているのかは判然としませんが、ビスフォスフォネート(BP)製剤を中心にして骨折後の骨粗鬆症を治療している整形外科医としては看過できない問題です。


タイムリーに京都大学口腔外科の別所教授が監修された
BP製剤のパンフレットを拝見しました。
特発性大腿骨頭壊死症などの研究に一枚かんでいた整形外科医としては、”これは骨壊死ではなく、単なる骨髄炎だろう~”という内容でした。


要約すると、下記のごとくの病態のようです。

   口腔内での外傷(抜歯などの外科処置、不適合義歯) ⇒ 細菌感染
 ⇒ 顎骨骨髄炎 ⇒ BP製剤を投与されていると骨代謝が抑えられるので難治化



ビスフォスフォネート(BP)製剤による顎骨壊死? その2 につづく

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