整形外科医のブログ

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CRP

母指末節骨骨髄炎

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多発骨折でリハビリテーション入院中の患者さんがいます。受傷から1ヵ月経過しているのですが、母指末節骨は開放骨折でした。前医で洗浄後にセフェム系抗生剤を5日間投与されています。


数日前から母指の腫脹・発赤が出現しました。単純X線像では骨融解像を認めず、WBC/CRP 5500/0.44と微妙な数値です。まずは黄色ブドウ球菌をターゲットにしてセフェム系抗生剤の点滴を開始しました。


母指末節骨先端の骨髄炎疑いなので抗生剤点滴まで施行するかどうか迷いましたが、中途半端に内服投与で慢性化するのが嫌なので思い切って点滴投与としました。


どうしても炎症が鎮静化しない場合は切開して骨折部の掻爬をする必要がありそうですが、末節骨に対してそこまで施行した経験はありません。長管骨骨髄炎であれば治療方針で悩むことはないのですが、中途半端な部位なのでどこまで「攻め」の治療を行うか判断に迷うところです。


臨床は終わってみないと正解が分からないので、卒後17年経ってもいつも悩みながらもその時点で最善と思われる方法を選択せざる得ません。少し不謹慎かもしれもせんが、未来を見通せる水晶玉があればいいなといつも思っています。

関節リウマチで動脈硬化が進行すると心血管病変を併発します

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前回の記事のごとく、関節リウマチに罹患していると動脈硬化が進行します。動脈硬化が進行すると必然的に心血管病変を併発しやすくなります。


昔は、関節リウマチに血管病変を併発した疾患を、悪性関節リウマチ(今でいう、リウマトイド血管炎 Rheumatoid vasculitis; RV)といっていましたが、すべての関節リウマチは広義の血管病変を併発していると考えるべきです。下記に具体的な論文を御紹介します。
 

CRP上昇が心血管病変発症のリスクを高める 
→ RA発症時のCRP値が死亡の予測因子

Goodson NJ et al, Arthritis Rheum 2005;52:2293

 



CRPは総頸動脈の内膜中膜肥厚、すなわち動脈硬化に相関する

Gonzalez-Gay, J Rheumatology 2005;32:12119

 



ステロイド投与で心血管病変の発症リスクが高まる

                           Suissa S, Arthritis Rheum 2006;55:531




関節リウマチの治療を行うことは、患者さんの生命予後を改善することにつながります。生活の質を向上するだけでなく寿命まで伸ばすことができるので、リウマチ医にとってはやりがいのある仕事ですね。



※ 京都第一赤十字病院 リウマチ・膠原病センターの尾本先生からいただいた関節リウマチの資料からの抜粋です。

術前患者さんのCRP高値で困ってしまいました

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今日の午前は外来でした。来月に人工股関節全置換術予定の患者さんで、CRPの高値(2.5~4mg/dl程度)が続く方がいます。2.5~4mg/dlを高値とみなすかは微妙なところです。しかしTHA術前の値としては、放置するわけにはいかないレベルです。


術前の血液生化学検査で発覚したのですが、体温上昇は無く身体所見でも明らかな異常所見を認めません。WBCは正常範囲、ESRは軽度亢進しています。尿検査は正常範囲内です。


一体、何がCRP高値の原因なのか検討がつきませんでした。調べてみると、CRP高値の原因としては感染がメインですが、下記のようなことも挙げられるようです(当たり前のことばかりですが・・・)。


・ ウイルス性感染症
・ 細菌性感染症
・ 悪性腫瘍
・ 心筋梗塞
・ 膠原病
・ 外傷・熱傷


この患者さんに関しては、上記のうち悪性腫瘍の可能性のみ否定し切れませんでした。CRP高値が2週間持続していることを説明した上で、胸部~腹部CTを施行しました。


結果は・・・、おそらく憩室炎であろうとのことでした。腹部症状は全く無いのですが、大腸に憩室をみとめ、壁が腫脹しているので憩室炎を最も疑うとのことです。


FOMを1週間処方されて一件落着になりそうです。
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