整形外科医のブログ

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CT

手の三角骨骨折を経験しました!

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先日の外来で自転車で転倒して手をついてから痛みが続く方が初診されました。
診察すると手関節(橈骨遠位端ではない)に限局した腫脹を認めます。


単純X線像を施行すると側面像で手根骨の裂離骨片を認めました。そこでCTで精査をすると、どうも三角骨骨折(Os triquetrum)のようでした。う~ん、これは珍しい・・・


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医局に戻って 手の外科の実際 、Campbell's Operative OrthopaedicsGreen's Operative Hand Surgery を紐解きましたが、簡単な記載しかありませんでした。


そこで、もう一度CTを読影すると、背側の裂離骨片を有効に内固定する手段が無いことに気付きました。この骨折型では消去法的に保存治療しかなさそうです。


Green's Operative Hand Surgery に4-6週間の外固定とあったので、半肢ギプスを巻いて保存治療することにしました。偽関節化して疼痛が残れば骨片摘出術で対応しようと思います。



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頭部外傷のベストの縫合法は?

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先日、当直していると7歳児が転倒して後頭部を打ったとのことで救急受診しました。
後頭部に約3cmの裂創があったのでナイロンで縫合しました。


通常、私はスキンステープラーで頭部外傷の縫合を施行します。しかし、この時にはスキンステープラーだと両親に文句を言われそうだったので、わざわざナイロンで縫合しました。


縫合後に患児の創部を観察しましたが、やはりナイロンは毛髪と似ているため抜糸の際に見難そうでした。う~ん、明らかにスキンステープラーの方が視認性が良くて優れていそうです・・・


後日、アルバイト先の脳神経外科部長の先生に、頭部外傷の際にスキンステープラーとナイロンでの縫合ではどちらを推奨されますか? という低レベルな質問を恥を忍んで行いました(笑)。


その部長の先生は、① 頭部外傷はどんな方法でも問題なく治癒する ② したがって手っ取り早いスキンステープラーの方が良い とおっしゃられました。


子供の場合には親の目があるからナイロンの方が良いのでは? と質問したところ、子供こそ暴れるので素早く施行できるスキンステープラーが望ましいとのことでした。


ちなみにスキンステープラーをしていても、頭部CTを施行する際にアーチファクトにならないそうです。頭部CTのアーチファクトにならないのなら、全例スキンステープラーで良さそうです。


以上のことから、頭部外傷の縫合処置は全例スキンステープラーで縫合することにしました。素早く縫合できて安価かつ抜鉤も容易なので、スキンステープラーに勝るものは無いですね。



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関節面が合っていると気持ちいい!

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先日、掌側Barton骨折に対する関節内骨折観血的手術を施行しました。若年者の利き手の関節内骨折だったので、術中はかなり慎重に手術を行いました。


しかし、Barton骨折などの関節内骨折では直視で関節面の整復状況を確認しているわけではないので、本当に関節面の整復が確実にできているのか少し不安に思うことがあります。


掌側皮質の連続性が得られてることは確認していますが、プレートによるバットレス効果が不十分なため関節面のギャップが残存していたらどうしよう?という不安感があるのです。


もちろん術中イメージでも確認するのですが、側面像は他の骨が重なって関節面の整復状況まで分からないことが多いです。


したがって、術後に撮影するCTは試験の結果発表を見る心境になります。先日施行した方の術後CTの再構成像は下記のごとくでした。


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我ながら完璧な出来栄えです(笑)。これで本日の午後から出席予定の神戸で開催中の日本整形外科学会にも気持ち良く出発できそうです。



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ラウエンシュタインでしか分らないことも!

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先日、80歳台後半の方が大腿骨頚部骨折で入院されました。
転倒後から歩行不能となったとのことだったので、外来でまず単純X線像を依頼しました。


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骨粗鬆症が高度だったので、単純X線像では骨折の有無がよく分りませんでした。このため、CTを施行して再構成してもらったところ、大腿骨頚部骨折であることが判明しました。


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CTの前額断ではカルカーに骨折が及んでいるものの、ほとんど転位を認めないため、
Garden stage 2の可能性が高いと判断しました。


念のため、側面でラウエンシュタイン像を追加依頼したところ、見事に腹側凸になって角状変形していました・・・。側面も含めて判断すると完全にGarden stage 3 です。



ラウエンシュタイン - コピー




改めて単純X線像の正面・側面像およびCTの再構成画像を見直しましたが、
少なくとも Garden stage 3 と分るような骨折部の転位は認めませんでした。


やはり、大腿骨頚部の病変に関しては、きっちりとラウエンシュタイン像を撮影して骨折の有無や転位の程度を評価するべきだと改めて認識しました。



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大腿骨転子部骨折後偽関節の診断

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先週は大腿骨転子部骨折後偽関節に対する手術を施行しました。
このような症例はときどき見かけますが、私自身が主治医として経験するのは初めてです。


2014年7月ごろに粉砕型の大腿骨転子部骨折に対してショートネイルを用いて骨折観血的手術を施行しました。手術は特に問題なく終了しています。翌日から全荷重を許可しました。


術後も骨折部の転位が無かったので、術後2ヶ月程度で退院していただき外来フォローしていました。2014年11月の段階では疼痛もなく、単純X線像で著変はありませんでした。



Xp 1411




2014年12月に最近患側股関節を痛がるとのことで再診されました。単純X線像ではラグスクリューが大腿骨頭下にカットアウトしています。


Xp 1412




2014年11月と比較して、頚部の短縮を認めず明らかな偽関節と判断できなかったため、reverse Z effectと考えて、短いラグスクリューに入れ替えて固定型のエンドキャップに交換しました。


しばらく経過観察していたのですが、ラグスクリューが前方にカットアウトしたため、大腿骨転子部骨折後偽関節と判断して抜釘術+人工骨頭置換術を施行しました。


術前にCTを施行したのですが、単純X線像では分からなかった偽関節部(カルカーにみえる皮質の連続性が途絶えた部位)を確認することができました。


CT




結果的にはラグスクリューがカットアウトした段階でCTを施行していれば、ラグスクリューの入れ替えを省略して最初から人工骨頭置換術を決断できたと思います。


今回の症例から、大腿骨転子部骨折の術後は単純X線像だけでは偽関節の診断ができないことがあり、疑わしい症例ではCTを撮影して偽関節か否かを判断する必要があることを学びました。




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