今日も日本整形外科学会にきています。
山口大学の田口敏彦教授の講演を拝聴しました。
個人的に参考になった点を列記します。


  • 脊髄症の自然経過において、すべての症例で悪化するわけではないが、改善することは無い
  • 頚椎手術で手術適応となるのはJOAスコアで11点未満であることが多い
  • 階段を降りるときの不安感が出現すれば手術を検討するべき( 痙性麻痺のため昇りは不安感なし)
  • 頚椎手術では合併症の併発のため約1.7%の症例で術前よりも症状が悪化する
  • 胸郭出口症候群では頚椎牽引で症状が悪化する
  • Keegan型の頚椎症では、筋電図検査で健側比の50%以上の電位があれば保存治療可能であることが多い。具体的には頭蓋の運動野もしくは腕神経叢(Erb点)を刺激して得られた複合筋活動電位(CMAP)の反応を評価する。たとえば、頸椎症性筋萎縮症の近位型で、上腕の三角筋および二頭筋における患側の振幅の大きさが健側に比べて50%以上の場合、保存治療適応の指標としている。
  • 通常の診療では障害高位を診断するためにdermatomeをみるが、myotomeやskeletomeでも症状を説明できることがあるので注意する(たとえば頚髄症での胸をしめつけられるという主訴)