母趾のMucous Cystで治療に難渋している症例があります。
Mucous Cystは変形性関節症に併発することが多く、手指のDIP関節に好発します。
私が難渋している方は母趾IP関節直上のMucous Cystです。初診時はガングリオンかと思ったのですが、疣贅のように盛り上がっており表皮が薄く自壊するためMucous Cystと診断しました。
通常のMucous Cystは変形性関節症が原因です。このため、関節直上のcyst部を切除するだけでは高率に再発するため、関節固定が必要となるケースが多いです。
しかし、私が難渋している方は、単純X線像上は関節症性変化に乏しくほぼ正常の関節所見です。これでは関節固定する訳にもいかず、自壊を繰り返すので困っているのです。
頻回に自壊すると感染を併発するリスクが高くなるので、そろそろ根治的な治療を考えなければなりません。関節固定まで思い切って施行するか否か決断を迫られています・・・。
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