整形外科医のブログ

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Syndrome

踵部痛をきたす3疾患の鑑別

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外来をしていると、踵部足底痛が主訴の患者さんが多いです。
だいたいバカの一つ覚えで「足底腱膜炎」で片付けていました。


踵部足底痛=踵部足底腱膜炎だと認識でしたが、ある時に単純X線側面像で骨棘形成が無い症例があることに気付きました。


成書を紐解いても症状から調べるのはなかなか難しいです。そこで、ネットで調べると相互リンクいただいている目指せスポーツドクターで興味深い記事がありました。


どうやら、私が足底腱膜炎だと思っていたの症例の中には踵部脂肪褥炎という疾患が混じっていそうです。それだけでなく、Heel Fat Pad Syndomeという疾患までありました。。。


いずれも踵部足底痛をきたす病態ですが、原因・症状・治療法が微妙に違うようです。詳細は上記リンク先を一読いただきたいと思いますが、簡単にまとめてみました。


  • 足底腱膜炎:足底腱膜の停止部の炎症。中~高齢者に多い
  • 踵部脂肪褥炎:踵部脂肪体の弾力低下で踵骨へ直接負荷がかかる。中~高齢者に多い
  • Heel Fad Pad Syndrome:踵部脂肪体と踵骨の間に発生する剪断力が原因。スポーツ愛好家などの若年者に多い



治療は、足底腱膜炎はおなじみのアーチサポートですが、踵部脂肪褥炎とHeel Fad Pad Syndromeでは、ヒールカップやテーピングで治療するそうです。


なるほど、今まで足底腱膜炎で全て片付けていましたが、それだけではちょっとダメなようです。この3つを鑑別に入れて明日からの診療に臨もうと思います。





★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
  


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






hip-spine syndrome症例に対するTHA

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今日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
非手術側が高位脱臼股(Crowe grade 2)のため、脚長差が3cm程度ありました。これを代償するため、立位AP像での骨盤の傾きが床面に対して10度ほど形成されています。


腰椎は高度の変性側彎をきたしており、左右側屈の動態撮影でも可動性に乏しいタイプのspondylosisでした。典型的なsecondary hip-spine syndromeです。


腰椎の変性が高度でなければ、股関節の脚長をそろえることで骨盤の傾きも矯正できます。
しかし、今回のように高度の変性側彎をきたすようなタイプのspondylosisでは、骨盤の傾きが残存することが予想されます。


したがって、今回の術前計画では骨盤の傾きを10度として、カップの外方傾斜角を35度に設定しました。かなりカップ外側が寛骨臼からはみ出ますが、骨移植で対応しました。術後X線像では、狙いどおりにカップ外方傾斜角度は35度でした。


hip-spine syndromeの概念がでるまでは外方傾斜角を全例40度に設定していました。しかし、現在では骨盤傾斜に異常をきたすような変性側彎を併発している症例には、骨盤傾斜を考慮に入れたカップ設置角度にしています。

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