整形外科医のブログ

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THA

THA:骨盤後傾が高度の症例では普段の歩容確認が重要!

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先日、高度に骨盤が後傾している症例の人工股関節全置換術がありました。このような症例の多くは、立位と臥位の骨盤の傾きが劇的に異なります。


私たちの大学では、これまで立位の骨盤傾斜を基準にカップを設置してきました。ヒトが脱臼するのは寝ている時ではなく、起きて活動している時というのがその理由です。


しかし、立位の高度に後傾した骨盤にカップを設置すると、いろいろな不具合が発生します。カップの前方開角が小さくなるので、後方不安定性が増大するのです。


そしてよく考えると、脱臼するのは立っている時ではなく、しゃがんでモノを取るような肢位であることが多いです。そうであれば、むしろ立位ではなく臥位に合わすべきでは???


最近、私はそのように考えて、大学と異なる方針でやっています。最終的にどちらの骨盤傾斜に合わすのかは、「自然」な立位で骨盤を撮影して決めています。


高度の骨盤後傾している画像は患者さんがむりやり背筋を伸ばして撮影しているケースが多いからです。高齢の患者さんは自分の背中が曲がっていることを忌避する傾向にあります。


背中が曲がっているのに無理やりシャンと背筋を伸ばすので、骨盤は高度に後傾してしまう。そして
骨盤が高度に後傾した画像を、普段の立位の骨盤傾斜と思ってしまう...。


これまで、そんな感じの一種の勘違いをしていたのかもしれません。高度骨盤後傾の症例の手術計画は、自然な立位を観察することから始まるのでしょう。







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人工股関節全置換術



3Dプリンティングされた 3DポーラスのTrident Ⅱって結構いい感じかも

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先日の人工股関節全置換術では、Stryker社の Trident Ⅱが登場しました。Trident Ⅱは Tridentではなく、Tritaniumの後継機種です。


Tritaniumはまだ上市されてからさほど時間が経過していません。この時期に Trident Ⅱが投入された理由は推して知るべしですね(苦笑)。


さて、肝心の Trident Ⅱですが、ひとことで言うと好印象です。Trident Ⅱは 3Dプリンティングされた 3Dポーラスです。このため従来製品よりもカップの厚みが薄いです。


カップが薄くなるとたくさんのメリットがあります。小さいサイズのカップでも大径ヘッドを使用できたり、スクリューを挿入できる角度が大きくなります。


さらにデバイスも進化しています。カップを固定するロッドは本体を回転させるのではなく手元の大きなネジで着脱できます。この構造はカップの寛骨臼内での安定性に寄与します。


痒い所にとの届く洗練さがありますが、唯一残念な点はポリエチレンライナーのロッキング機構でしょう。なぜか評判の悪い従来の Tridentと同じなのです。


まぁ全体的に言うと、Tridentユーザーにも受け入れられやすい 3Dポーラスのカップではないでしょうか。安定の HAコーティングか新規性のある 3Dポーラスか迷うところですね。







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人工股関節全置換術



患者さんの術後離床問題を考える

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私が医師をしているエリアでは、THAや TKA施行症例の術後の初回離床は医師が行うことになっている施設が多いです。


何故、医師が初回の離床を実施するのでしょうか? 理由は定かではありません。肺塞栓症が発生してもすぐに対応できることが目的かもしれません。


しかし、術前に下肢静脈エコーで深部静脈血栓症の除外診断をして予防対策を実施していれば、術翌日に肺塞栓症はほとんど発生しません。


それ以外の理由として THAの術後脱臼が考えられますが、単に離床するだけで脱臼するなど想定外です。ここまで考えると、医師が初回離床を行う意味は無さそうです。


さらに医師が初回離床を行うデメリットは大きいです。最大のデメリットは、医師が訪床するまで患者さんが離床できないことです。


医師は基本的に忙しい。このため患者さんの離床を待たせることが頻発します。よく考えると医師による初回離床はデメリット大きいので、業務改善することにしました。


もちろん医師による初回離床を廃止したところで、全体の業務量が劇的に削減されるわけではありません。しかし、千里の道も一歩からです。


少しずつでも意味の無い慣習を正して業務改善し続ける必要があります。この姿勢は、おそらく医師の働き方改革にも資するのではないでしょうか。






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人工股関節全置換術



セメントレスカップ内にセメントカップを設置するメリット

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先日、THA術後の頻回脱臼症例の再置換術がありました。10数年以上前の症例で、カップがすでに生産中止になっています。


メーカーに問い合わせしたところ、ポリエチレンライナーの在庫も無いとのことです...。う~ん、人工関節のパーツが十数年で廃版になるのは由々しき問題です。


しかし愚痴を言っても始まりません。ハイリークロスリンクとは言え、頻回脱臼症例なのでポリエチレンライナーに溝ができている可能性があります。


そうであれば、ポリエチレンライナーの交換は必須です。しかし在庫が無いのでカップも交換する必要があります。弛みの無いセメントレスカップを交換するのは至難の業。


非常に困った状況ですが、オプションとしてカップは抜去せずに、セメントレスカップの中にセメントを充填して、セメントカップを設置する手法があります。


セメントレスカップのスクリューホールから寛骨臼にドリリングして、セメントカップのアンカーとします。固定性はそれなりにありそうですね。


この手法であれば、セメントレスカップを抜去する必要がないので簡便な手術となります。もちろん王道はセメントレスカップの抜去+再置換でしょう。


しかし、弛みの無いセメントレスカップを抜去するリスクは大きいです。セメントレスカップ内にセメント固定するリスクを天秤にかけて、治療方針を決定すれば良いと思います。






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人工股関節全置換術



大腿骨からの出血防止対策はリーミングしないこと?!

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股関節の人工関節置換術の際に、出血量を左右するのは大腿骨髄腔からの出血だと思います。骨髄からの出血を完全に止める方法はありません。


これまでは対症療法的に、トラネキサム酸1000gを静脈注射したり、髄腔内をオキシドールで洗浄したりしていました。


しかし、そもそも髄腔からの出血はどこからやってくるのでしょうか? 大腿骨髄腔から出血し始めるのは髄腔をリーミングしてからです。


経験的には深くまでリーミングするほど出血量が増加します。しかし、普段はあまりこのことを気にかけていませんでした。


ところが、先日のセメント人工骨頭置換術の際に、セメントリストリクターを挿入した瞬間に大腿骨髄腔からの出血がピタッと止まった症例がありました。


それまでドクドク出血していたのがウソのような出血の止まり方です。これらのことから推察される出血点は、大腿骨の骨幹部に近い部位のようです。


たしかに大腿骨近位部の髄腔から出血が発生している術中所見は経験ありません。おそらく大腿骨骨幹部に近い部位からの出血なのでしょう。


これらの知見から導き出される出血対策は「大腿骨のリーミングを深くし過ぎない」ではないでしょうか。深くしないというよりも、申し訳程度に挿入するだけでOKだと思います。


リーミングの目的は髄腔の位置と方向の確認です。半ば儀式的になっている手技なので、リーミングを省くという選択肢もあります。


経験的にリーミングは申し訳程度に実施していましたが、やはり出血対策としても本格的に実施するのは避けた方が良いと考えます。





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人工股関節全置換術



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