数年前から、THAの作図は 3Dテンプレート(ZedHip)を使用しています。3Dテンプレートにすると、従来の 2Dと比較して圧倒的に正確に術前計画可能です。
まさに良いこと尽くめ、、、というわけではありません。何故なら、2Dでは見えなかった問題点が可視化されるケースがあるからです。
先日も、寛骨臼前方荷重部に巨大な欠損ができる可能性がある症例がありました。3Dテンプレートでインプラントを設置して初めて分かったことです。
院内のCT画像を見直しましたが、本当にそんな骨欠損(被覆不足)が生じるのか?という疑念が生じるほどです。しかし、3Dテンプレートは正確なはずです。
できるだけ被覆率を上げるために、カップ設置位置を微修正して1時間ぐらい費やしました...。しかも、最終的には不満足な術前計画以外は実行不可だと悟るハメに。
たぶん従来であれば何も考えずに手術して、そしておそらく何も起こらずに終了していたはずです。つまりコワいものの存在を知らずに手術して、知らないまま終了していたのです。
下手にリスクが発生する可能性を知ってしまったがために、心配になって有効な解決策があまり無い状況下で悶々とする...という状況は整形外科医アルアルではないでしょうか。
人工股関節全置換術