整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

TKA

TKAの骨セメントは高粘度に限る?!

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先日、人工膝関節全置換術(TKA)を執刀している際に、骨セメントの手技がずいぶんスムーズになったことに気付きました。もちろん私の実力が向上したワケではありません(笑)


その理由は、使用している骨セメントの性能向上のおかげです。私は、ZIMMER-BIOMET社製の Refobacin ボーンセメントを使用しています。


緑色の骨セメントで組織内における視認性に優れますが、最大のメリットは高粘度であることです。このためワーキングタイムを大幅に増加できます。


実際には、

  • リキッドを混合してから1分後にインプラントへの塗布開始
  • 2分後から脛骨骨面に塗布開始
  • 4分後に大腿骨骨面に塗布開始

という感じなので、混合してから 5分ほどでインプランテーションが完了します。11分ぐらいで硬化するので、これだけ時間に余裕があると術中に焦る場面がほとんとありません。


さすがに THAで高粘度の骨セメントを使用する勇気は無いですが、TKAにおいてはこれほどリスクが低くて有用な骨セメントは無いと思います。







管理人 お勧めの医学書

 
初学者がTKAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です






変形性膝関節症に PRP療法は無効!

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Medical Tribuneに多血小板血漿療法は変形性膝関節症への有効性が示されずという報告がありました。そんな気がしていましたが、RCT出た結果は重く受け止める必要があります。






解析の結果では、PRP投与12カ月後における疼痛スコア、および MRIでの脛骨内側の軟骨定量評価のいずれもが、プラセボ群と比較して有意差がありませんでした。


この研究では、肥満度、関節水腫の有無、K-L分類にかかわらず有意差が無かったようです。変形性膝関節症に対する PRP療法施行は支持されないという結語になっています。


日本でも PRP療法が勃興していますが、骨性の関節構造体に関しては効果が無いのでしょう。オーバーインディケーションにならないように注意する必要がありそうです。







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自分の術中判断は KneeAlign2の信頼度を上回れるか

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連日の手術ピットフォールネタです。
今回は人工膝関節全置換術(TKA)で少々残念なことが発生しました。


大腿骨の骨切り角度の屈曲がやや強めになってしまいました。通常は屈曲3度で骨切りしていますが、今回は7度ほど屈曲がついてしまいました。


私は KneeAlign2を使用していますが、今回のようなケースは初めての経験です。これまでの経験では、
KneeAlign2は極めて正確な骨切りが可能という認識でした。


術中、本当にこの角度で大丈夫かな?と感じた場合であっても、術後単純X線像ではバッチリであることがほとんどだったのです。


このため、術中の自分の判断よりも 
KneeAlign2の性能を信じるようになりました。しかし今回の一件で KneeAlign2と言えども完璧ではないことを思い知りました。


KneeAlign2は基本的には極めて正確な骨切りが可能ですが、KneeAlign2が failureする場合には大きく外れてしまうそうです。今回の症例はまれにこれに該当すると思います。


術中判断の重要さが上昇しましたが、これまでの数多くの症例でほぼ100%近い正確さを示してきた KneeAlign2に対して、術中に異議申し立てするのはかなり勇気が要ります。


KneeAlign2の問題点は、角度の判断軸がブラックボックスであることです。このあたりは AIの判断がブラックボックスであることと近似しているかもしれません。


優秀なデバイスであることは間違いないですが、100%信頼するのは厳しそう...。自分の目よりも正確そうなだけに、術中判断に迷ってしまいそうです。






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関節注射後 3ヵ月のTKA待機期間でトラブル発生?

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最近、立て続けに近隣開業医の先生からの紹介患者さんで小さなトラブルがありました。それは私のところに紹介される直前に膝関節注射を施行されていたことです。


以前にブログでご報告したように、
術後感染率が有意に上昇するので TKA の術前3ヶ月以内に関節注射を施行するべきではないという論文があります。


この論文の結果を受けて、私は TKAを施行するなら、必ず 3ヵ月以上の待機期間を置いています。しかしどうやら整形外科医の間にもあまり一般的には認知されていないようです。


立て続けに関節注射打ち立てホヤホヤの患者さんが紹介されてしまい、事後対応が少々面倒くさかったです。更に3ヵ月も待たされる患者さんはたまったものではありません...。


しかし安易にすぐに TKAを施行して感染してしまっては元も子もありません。紹介元に類が及ばないように細心の注意を払いながら、なだめすかして 3ヵ月待機しています。


では、紹介元に人工関節目的で紹介するときには関節注射しないでください、と言えばよいのではないかと思うかもしれませんが、チキンな私は残念ながらできていません(苦笑)。


そんな面倒くさいこと言う奴には紹介せん! となることは目に見えているので...。







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KneeAlign 2の内果レジストレーションのTIPS

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先日、人工膝関節全置換術(TKA)がありました。TKAでは携帯型ナビゲーションシステムの KneeAlign 2を使用している施設が多いと思います。


デバイスの精度は驚異的で、KneeAlign 2のおかげでインプラントの設置で画竜点睛を欠くことはほぼ無くなりました。


KneeAlign 2はかなりアバウトにしても非常に精度良くナビゲーションしてくれるのですが、脛骨骨切では足関節内果のレジストレーションが難しいです。


内果のレジストレーションをしっかり行うために、せっかく装着したアルバラードをいちいち外す施設も多いことでしょう。


ところが先日、内果部分のストッキネットを切って内果を直接触知することで精度良くレジストレーションできることを発見しました。


これでアルバラードを着脱する 2分程度の時間を節約できます。手術時間の短縮はこのような小さな手技改善の積み重ねです。これで多少は手術時間が早くなったかな?







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