整形外科医のブログ

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急速破壊型股関節症に対するTHA  その2

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急速破壊型股関節症に対するTHA  その1 のつづきです


これ以上奥にはリーミングできず、予定より2mmオーバーまでサイズアップしました。ほとんど海綿骨が無い状態だったので予定通りトライタニウムを選択してインパクションしましたが、カップが十分に固定できませんでした!


この手のカップで初期固定を得られなかったのは初めてです・・・。後から考えると、もうワンサイズ大きくしてもよかったのかもしれませんが、前壁が膜状なのでリーミングやカップインパクションの段階で前壁骨折を併発するリスクが高くなります。


結局、もう一度軽くリーミングしてからインパクションして、3本のスクリューで固定しました。経験則から、カップ本体の固定性が不良の際でも、スクリューが3本ともしっかり効けば翌日からの全荷重歩行に耐えられると思います。


このようなカップ固定性が不良の場合の注意点として、スクリューを刺入するとカップの外方傾斜角が若干大きくなる傾向があります。あまりに大きくなってしまう場合にはカップの再設置を躊躇してはいけません。


結構、経験を積んでいるつもりですが、いまだに冷やっとする場面が時々あります。手術ってやっぱりコワいですね・・・。


急速破壊型股関節症に対するTHA  その1

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今日の午前は、人工股関節全置換術(THA)でした。急速破壊型股関節症(RDC)の方で、術前CTから寛骨臼側の骨質が不良であることが予想できました。


RDCでは骨破壊が高度なことが多く、本日の方も前壁がペラペラの薄い膜にようになっていました。内板までの距離も短いため前後壁で十分にカップを被覆できません。かなり思案した結果、後壁に合わせてリーミングを行い、前壁はほとんど無いものと考えてトライタニウム(Tritanium)でお茶を濁すという術前計画を立案しました。


ちなみにトライタニウムとはストライカー社製のカップで、高い摩擦係数と多孔率によって固定性が高いことがウリのカップです。ジンマー社も、トラベキュラーメタル(trabecular metal)という同様のカップを販売しています。
両者を比較した記事があるので参考にしてください。


さて術中所見ですが、予想に違わずひどい状態でした。寛骨臼内は易出血性の滑膜に覆われており、寛骨臼は最初から内板が半分以上露出していました。リーミングすること約5秒で、ほぼ海綿骨が無くなってしまいました・・・。合計でも最終サイズまでのリーミング時間は10秒程度しかありませんでした。


RDCや関節リウマチ等の寛骨臼の骨質が不良の症例では、間違っても最初から全力でリーミングしてはいけません。ファーストコンタクトの段階では、だいたい50%程度の力でリーミングして様子をみることを強くお勧めします。


急速破壊型股関節症に対するTHA  その2 につづく


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